612条1項の承諾について

短答問題のH25-16-2ですが、敷地の賃借権も抵当権の効力が及ぶが612条1項の承諾を要する理由がわかりません。抵当権と賃貸借は別制度であるので別に考えるべきという考え方になるのかなと現時点では考えているのですが。
2017年4月28日
民事系 - 民法
回答希望講師:久保田康介
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久保田康介の回答

H25-16-2では、Dが甲建物を競落したことにより、土地賃借権がBからDに移転しています。612条1項は、「賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し……できない」と定めていますので、この場合はBの承諾がなければDはBに土地賃借権を主張することができません。そして、この場合にBの承諾を不要とさせるような規定はありません。

抵当権の効力が従たる権利としての賃借権にも及ぶといっても、賃借権を取得するにあたって必要となる手続を不要とさせるものではありません。

2017年4月30日