ご質問の内容からして、主張適格というのは請求適格のことを指すのだと思いますので、そういう前提で回答させていただきます。
請求適格というのは権利保護の資格を意味し、これを満たすには、請求の内容が判決で確定されるに適する一般的資格のあるものであることが必要だとされます。これは個々の事件の特性に左右されません。他方で、訴えの利益は権利保護の利益であって、具体的な事件の特性に左右されます。これらは当事者能力と当事者適格の関係に近いといえるでしょう。
以下、ご質問との関係では余談になります。大阪国際空港事件をはじめとする継続的不法行為に対する将来分の損害賠償請求の事案において、判例は、請求権の適格という概念を用いて検討していますが、検討の中身をみると具体的な事件の特性をみていると考えることができます。したがいまして、答案上でも請求適格という概念を用いずに、訴えの利益の検討をすれば足りると考えています。
2017年4月21日