H24第1問について

起業支援金についてです。起業支援契約を見ると、起業支援金を得るためには請求書や領収書を提出する条件や独占販売開始日を定める条件が付されていることに着目して、起業支援金という対価を得るためには条件を満たさなければならないという指揮命令に服しているといえるから雇用契約はないもののこれに類する原因があるといえるとして給与所得に当たるとする論述は給与所得該当性判断として誤りでしょうか。
2017年4月12日
選択科目 - 租税法
回答希望講師:宮崎貴博
回答:1

ベストアンサー ファーストアンサー
宮崎貴博の回答

ご質問を有難うございます。以下、回答をさせて頂きます。

本問の起業支援金は開発に要する実費及びXの支援金です。

甲はOKくんを製造してX社に売却納入します。

甲は,営利目的で,反復継続して販売するための製品を自己の計算とリスクにおいて開発してきました。

起業支援金を初めて受領した平成22年11月ごろには作業場を賃借りしてアルバイトも雇用しています。

今後はその製品を販売するのですから,事業所得者です。準備段階とはいえ,家内工業的な域を超えていますから雑所得ではありません。

その開発費用を,無償ではなく,独占販売権の見返りに提供を受けたのがこの支援金ですから事業所得(所法27条1項)の収入となります。

甲はXと雇用関係にありませんから給与ではありません。

ご質問にあります「起業支援金という対価を得るためには条件を満たさなければならないという指揮命令に服しているといえるから雇用契約はないもののこれに類する原因があるといえるとして給与所得に当たるとする」というのは、筋がいいようには思えません。

「指揮命令」は「条件を満たさなければならないという指揮命令」といった抽象的なものでは足りず、実際に使用者等の下で稼働することが必要だからです。

やはり、事業所得で素直に認定することが試験対策上も有用かと思います。

最後まで読んで頂き、誠に有難うございました。

2017年4月17日