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刑法プレテストについて

甲と乙が18万円について窃盗罪の共同正犯であったことを認定したうえで、甲が、「今日の売上は10万だった」旨を言って、自分のポケットの中から現金5万円だけを乙に差し出した行為2について、甲に横領罪(252条1項)が成立する書くことは可能でしょうか。
2017年4月7日
刑事系 - 刑法
回答希望講師:宮崎貴博
回答:1   役に立った:1

ベストアンサー ファーストアンサー
宮崎貴博の回答

ご質問を有難うございます。以下、回答をさせて頂きます。

刑法第252条「自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処する。」

特にポイントとなるのが委託信任関係と他人の物の要件になります。

委託信任関係は契約、条理は勿論、事実上の関係であれば足りると解されています。

それを前提に考えると、ご質問にある「窃盗罪の共同正犯」を認定した上で、甲と乙に事実上の委託信任関係を認定することも可能と考えます。

次に「他人の物」ですが、民法上の所有権を基礎にしているところ、所有権者である被害者の金銭を「他人の物」と認定することも可能と考えます。

よって、甲には窃盗罪と横領罪が成立する考えられます。

ちなみに、この点に正面から言及した判例は見当たりませんでしたが、被害者から盗んだ財物の処分を窃盗犯人から依頼された者が、その盗品を処分して代金を着服した場合、被害者の盗品を「他人の物」、委託信任関係を窃盗犯と盗品犯人との間に認定し、盗品等に関する罪と横領罪が成立するとした判例があります(最判昭36.10.10)。

もっとも、私見としては、仮に委託信任関係は共同正犯間で認めても、その信任関係と「他人の物」の所有者(被害者)を分属させて構成要件を認定することは横領罪の保護法益に沿わないと考えます。

また、窃盗罪と横領罪の成立を肯定することは一つの財物に対する罪責として二重処罰に繋がり妥当ではないと考えます。

以上のように、ご質問にある「甲に横領罪(252条1項)が成立する書くことは可能」と考えますが、私見としては収まりが良くないと考えます。

参考になりましたら幸いです。



2017年4月9日

匿名さん
いつもわかりやすい回答をありがとうございます。

2017年4月10日