H21第2問について

設問1で、売買契約では446条2項のように書面性を求められていないことから、注文書の誤記は表示が型番122であったことを推認する間接事実に過ぎず、むしろ他の事情を考えると表示は内心と一致していると論述することは適切でしょうか。
2017年4月7日
民事系 - 民法
回答希望講師:久保田康介
回答:1

ベストアンサー ファーストアンサー
久保田康介の回答

回答が遅くなり申し訳ございませんでした。

H21第2問設問1の「本件売買契約」とは、AX間における売買契約を指しています。そして、本件売買契約は注文書の送付によってAからXに対して申込み、注文請書の送付によってXからAに対して承諾の意思表示がなされています。そのため、売買契約は諾成契約であるとしても、注文書や注文請書という書面により意思表示がなされている以上は、型番122を目的物として表示しているとみるほかないと思います。そして、XA間において内心は型番112を目的物としている点についてはおそらく異論がないでしょう。

諾成契約は書面によらずとも契約を成立させることができますので、h21第2問設問1では、契約条件の協議がまとまったことをもって契約が成立したといえる余地が全く存在しないかと言われますと、そうではありません。しかしながら、XもAも本件売買契約を締結するためには上司の決裁を得なければならないという事情がありますし、A社の担当者はX社の担当者に対して「後ほど発注権限のある上司の決裁を得て、正式に注文書をお送りしますのでよろしくお願いします。」と述べていることから、本件において契約条件の協議がまとまった段階で売買契約が締結したとみることは相当困難だと思います(鍵カッコ内の発言は、要するに、自分には今回の契約の締結権限がないから権限のある者の承諾を得てから契約の申し込みをしますね、という意味です)。

以上より、ご質問の論述は適切ではないと考えます。

2017年4月12日


匿名さん
回答ありがとうございます、司法試験では無理な論述を展開するよりは問題文の事情から素直に推論できる筋を書いた方がいいと実感しました。

2017年4月12日