司法試験・予備試験 対策するならBEXA

H28租税法第1問について

本件出願報奨金を譲渡所得と考えたうえで、会社が判断した固定的な値上がり益で、本件実績報奨金は、市場に出さないとわからなかった変動的な値上がり益と考えました。まず、この点で論理矛盾等はありますでしょうか。次に、和解金は和解という互譲した結果の合意で市場による影響とは無関係な外的要因ではないから(二重利得法判決参照)、譲渡所得ではないとするのは論理的に誤りでしょうか。
2017年4月3日
選択科目 - 租税法
回答希望講師:宮崎貴博
回答:1   役に立った:0

ベストアンサー ファーストアンサー
宮崎貴博の回答

ご質問を有難うございます。以下、回答をさせて頂きます。

① まず、本件出願報償金については、その所得分類を巡って譲渡所得、給与所得等が候補となります。改正前特許法及び本件規程の仕組みを重視すると、出願報償金は、発明者に帰属した「特許を受ける権利」を会社に承継する対価と解されるため、譲渡所得に該当すると考えられます。

さらに具体的に言うと、本件出願報償金は、被用者が被用者たる地位に基づき受領した金員ではなく、特許を受ける権利をB社に譲渡(承継)させたことによる対価(特許法35条3項の「相当の対価」の一部)であるので、譲渡所得の収入金額に該当する、と考えるのが素直です。

勿論、ご質問にある「会社が判断した固定的な値上がり益で、本件実績報奨金は、市場に出さないとわからなかった変動的な値上がり益」をその中身とすることも考えられます。

もっとも、受験対策上は前記のように記述すれば十分です。

② 次に和解金ですが、和解金の名目を以て直ちに一時所得となるわけではなく、和解金の内容・趣旨の実質的な検討が必要となります。

ご質問にある「和解金は和解という互譲した結果の合意で市場による影響とは無関係な外的要因ではないから(二重利得法判決参照)、譲渡所得ではない」という消極的な理由よりも、本件の具体的な検討に即した理由を要します。

すなわち、本件和解金は、特許を受ける権利の承継から生じた「相当な対価」の残額であり、譲渡時に実現した所得ではないから譲渡所得ではない。

以上の記述で、本試験では十分と考えます。

最後までお読み頂き有難うございました。

2017年4月4日