令和6年度 合格体験記「合格圏内のはずが…初の挫折から司法試験2回目合格へ」

令和6年度司法試験試験 合格｜ペンネーム N様

　法曹に興味を持って法学部に入学しましたが、大学1～2年生の頃は勉強よりもアルバイトやサークル活動を優先していました。その結果、友人との時間を楽しむ一方で、学業への取り組みは疎かになっていました。また、民事訴訟法の抽象的な内容に苦手意識を持ち、一度は法曹を目指す道から離れることを決意しました。就職活動では、いくつかの内定を得たものの、業界を絞りきれない悩みを抱える日々。そんな中、「弁護士なら、幅広い業界に関わることができる」という可能性に気づき、司法試験の挑戦を再開することを決めました。

　コロナ禍で生まれた時間を活用して、勉強を再スタート。学習の遅れをとっていた私を支えてくれたのは、コツコツ勉強を続けてきた友人たちでした。友人が勧めてくれた教材や勉強方法のおかげで、ロースクール入試を突破。また、苦手だった民訴では、教材や基本書の記載順にはこだわりすぎないことを意識しました。まずは弁論主義や既判力といった基本概念を先におさえ、その後で応用論点に取り組む勉強法を実践し、苦手を克服しました。
　ロースクールに進学後は、自主ゼミを組むなど積極的に勉強に取り組みました。その結果、一定の成績を収め、周囲からも期待を寄せられるようになりました。しかし、予習中心の生活で、思うように司法試験対策に時間を割けず、次第に焦りを感じ始めました。

　不合格で落ち込んでいる私を支えてくれたのは、周りの人達の温かい言葉でした。「絶対大丈夫だよ」と励ましの声をかけてくれる友人や、「論文はしっかり書けていたよ」と具体的に評価してくれる先輩たち。その言葉が、少しずつ自信を取り戻すきっかけとなりました。また、「敗因はメンタルだと思うから、絶対外に出たほうがいい」とアドバイスをもらい、自分自身の環境を変える必要性を感じるようになりました。

　アドバイスを受け、意を決してBEXAの決起集会に参加。複数回受験で合格した先輩たちから多くの話を聞きました。また、できるだけ自分と近い境遇の方の勉強方法を真似しようと考え、同じ大学から同じロースクールに進学した方にも話を伺いました。そして、共通点を見つけながら自分に合った勉強方法を模索しました。それが自分にとって大きなヒントになりました。
　さらに、2回目合格の先輩から予備校選びについても助言を受けました。相対評価が出る環境なら、「自分だけができていない」と感じて、過剰に落ち込むことを防げるということを知りました。そして、自分に合った学びの場として、辰巳法律研究所の答練を選択。この選択が、メンタルキープの大きな助けになりました。

　
　また、 1回目の試験で対策不足だった行政法は、基礎から徹底的に復習し、問題演習を繰り返しました。苦手分野は、論文であっても質を重視した勉強が重要であったと感じています。過去問を分析し、出題パターンを把握することにも力を入れました。伊藤健先生の書籍「行政法解釈の技法」も読んで理解を深めました。

　2回目の試験に向けた日々では、規則正しい生活リズムを徹底。朝9時から勉強を始め、夜型の生活にならないよう21時以降は復習時間にしました。23時には就寝するよう心がけ、十分な睡眠を確保しました。 また、外に出て散歩をしたり、友人とご飯を食べに行ったり、適度な休息を取り入れました。適度にリフレッシュををすることで、ストレスを溜めないようにしていました。
　勉強時間と休息時間のバランスをうまく保ち、弱点克服に集中。その努力が実を結び、2回目の試験での合格を勝ち取ることができたのだと感じています。