予備試験の論文式試験を突破すると最後の試験である口述試験を受験することになります。
口述試験の合格率は90%超えと合格率が高い試験のため、「ここまで来たらもう落ちるわけにはいかない」というプレッシャーにさいなまれる方が多い試験でもあります。
口述試験は予備試験独自の試験であり、試験官からの口頭での質問に対して口頭で即座に答えなければなりません。
合格率の高さや、他の受験生が論文式試験を突破した実力者という点も相まって、極度の緊張に陥り、答えに詰まってしまった結果不合格ということもあり得ます。
実際BEXAの講師も二度と受けたくない試験だと話しています。
一方でこの口述試験を突破すれば、来年以降司法試験を受験できるのです。
困難であると言うことは、同時にここさえ対策をしておけば突破できると言い換えることも出来ます。
だからこそしっかりと口述試験の万全な対策をする事が、ひいては予備試験全体で一番効果的な対策なんです。
皆さんはもしかして口述式試験はこんな風に思ってませんか?
①口述式試験の合格率は高い
②試験中は六法を開いてもいい
③試験官は受験生を落とそうとして意地悪をする
でもこれ……本当でしょうか?
口述式試験の得意なBEXA講師はこういいます。
「これこそが口述式試験の罠なんだ」
そもそも、口述式試験は皆様と同じ予備試験のうち短答と論文に合格した受験生だけが受ける試験です。
短答式試験の受験者数との比較において、約4〜5%しかおらず、口述式試験を受験するだけでも高い壁を超えたレベルの高い受験生が揃っています。
つまり、もともとの母集団のレベルが高いということです。
言い換えれば予備試験短答・論文を潜り抜けたエリート受験生と競わなければなりません。
決して簡単に合格できる試験ではないんです。
口述式試験では六法を参照することができます。
試験官からも開いてよいと言われます。
ですが、基本的に試験中は六法を開かないで進めるべきです。
なぜならいきなり六法を見るということは、試験官に「問題の答えが分かりません」と言っているに等しいからです。
もし条文番号などがわからない場合でも、六法を参照して正確な条文番号を答えるより、大まかな位置を答えるだけの方がよいことも多いです。
その上で試験官から「六法開いてもいいので答えて下さい」と言う指示があった場合のみ開くようにしましょう。
自分から六法を開くのは百害あって一利なしです。
聞かれたら端的に聞かれた事に答える。指示をされたら従う。
当たり前のことですが、試験官が見ているのは「ちゃんと話の通じる人間かどうか」と言うことです。
試験官の裏をかかないと合格できないような試験をしているわけではありません。
自分が勉強している内容を聞かれたときなど、ついつい勉強の成果をひけらかしたくなるものですが、聞かれていないことにまで答えて時間を使う受験生は、試験官から見れば「この受験生は質問の意図を理解できていない受験生」と言うことです。
更に言うと、口述式試験において試験官は基本的に「受かって欲しい」と思っています。
そのために、まごついてしまったり急に内容が飛んでしまったような場合でも、むしろ正しい方向に修正しようと助け船を出してくれることすらあります。
ですが、もしそのときあなたがその助け舟に乗らなかったら……
パニックになりそうなときや、あなたの論点がずれてきているときほど試験官はあの手この手で問いを重ねながらあなたに助け舟を出します。
だからこそそれを無視して黙り込んでしまったり、逆に挑発的な態度を取ったりする事は絶対にNGです。
試験科目 | |
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・要件事実論 | 完全講義・民事裁判実務の基礎[上巻](民事法研究会) |
・事実認定論 | なし(口述試験過去問の演習で自然と事実認定もできる) |
・民事執行法、民事保全法 | 完全講義・民事裁判実務の基礎[入門編](民事法研究会) |
・民事訴訟法 | 論文の勉強で用いた教材 |
・法曹倫理 | 完全講義・民事裁判実務の基礎[入門編](民事法研究会) |
・民法の知識 | 論文の勉強で用いた教材 |
試験科目 | 参考教材 |
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・刑法の知識 | 基本刑法Ⅰ総論(日本評論社)、基本刑法II各論(日本評論社) |
・刑事訴訟法の知識 | 刑事実務基礎の定石(弘文堂) |
・法曹倫理 | 刑事実務基礎の定石(弘文堂) |
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