事後強盗罪の法的性質 合格答案のこつ たまっち先生の「論文試験の合格答案レクチャー」第 25 回 ~ 令和元年司法試験 刑法~

2023年1月21日   たまっち先生 

たまっち先生の
「論文試験の合格答案レクチャー
第 25回
「事後強盗罪の法的性質
合格答案のこつ

令和元年司法試験 刑法から

第1 はじめに・・・学説の対立には注意して学習をする必要性が高まっている

 こんにちは、たまっち先生です。
 今回は、令和元年司法試験刑法設問2を題材に事後強盗罪の法的性質について考えていきたいと思います。令和元年の司法試験は2つの学説の立場から罪責を論じさせるという珍しい出題でしたので、面食らった受験生も多かったと思います。このような出題は今後も考えられますので、日頃から学説の対立には注意して学習をする必要性が高まっていると評価することができるでしょう。

第2 A答案とC答案の比較検討

【A答案とC答案】
では早速、A答案とC答案を2つを見比べてみましょう。
今回から、A ポイントC ポイントの比較が分かり易いように表の記載方法を変えました。

A答案

A ポイント

1 脅迫罪の限度で共同正犯が成立するとの立場(60条、222条1項)(②)
⑴ア 事後強盗罪は、窃盗と暴行脅迫の結合犯であるため承継的共同正犯が問題となるが、本件ではこれが成立しないため脅迫罪の限度で共同正犯が成立すると説明する。
(ア)60条の処罰根拠は、相互利用補充しあって自己の犯罪を実現させた点にあるため、(ⅰ)共謀(意思連絡、正犯意思)、(ⅱ)(ⅰ)に基づく実行があれば「共同して犯罪を実行した」といえる。
(イ)乙は、一緒に万引きをしたことのあった友人甲がコンビニ店員Cともめている様子をみて、「またやったのか」と尋ねたところ、甲は乙がCの犯行を抑圧してくれることを期待して、うなずき「こいつをなんとかしれくれ」と言い。それに応じて乙はCへナイフを示して後述する脅迫をしていることから、事後強盗罪(238条)の意思連絡をしている。
 なお、乙は、甲がコンビニの商品を盗もうとしていると思い、商品を取り返されないように「財物を」「取り返されること」を目的とし、他方で甲はそのような乙の勘違いを察知しているものの、B銀行のA T Mから現金を窃取できず、Cからの「逮捕を免れ」る目的であった。しかし、目的にズレがあっても、同一の事後強盗の構成要件内にあるため、犯罪を共同するという共犯の本質からして、共謀の成立に欠けるところはない。
 乙は、自らCへ後述の脅迫をしており、正犯意思がある。
 よって、共謀がある(ⅰ)。
(ウ)共謀に基づく実行があるといえるか。共謀前に先行者が行った行為との因果性があるか。
 共犯の処罰根拠は共犯者の行為を通じて法益侵害を惹起した点にある。共謀成立前の先行者の行為について後行者が因果性を及ぼすことはできないから、原則として承継的共同正犯は認められない。もっとも、後行者が先行者の行為及び結果を自己の犯罪として手段として積極的に利用し、犯罪結果に月因果関係を持った場合には、承継的共同正犯が成立する。
 乙は、先行者甲がコンビニに対する窃盗既遂をしたと思っているが、実際にはB銀行に対する窃盗未遂をしたに過ぎない。したがって、乙は甲の具体的な行為及び結果を認識しておらず、これを積極的に利用したとはいえない。
 よって、因果関係を持ったとはいえず、承継的共同正犯は成立せず、共謀に基づく実行とはいえない。(ⅱ)。
(エ)以上より、事後強盗罪の共同正犯は成立しない。
イ 脅迫罪の共同正犯
(ア)上記のように、事後強盗罪の共謀がある(ⅰ)。
乙はCに対して刃体10センチという殺傷能力の高いナイフを示し「ぶっ殺すぞ」と言っているため、Cの「生命」に害悪を加える旨を告知している。これは、Cを畏怖させるに足りるものであり、「脅迫」したといえる。
 したがって、共謀に基づく実行がある。
(イ)乙は、脅迫罪、甲は事後強盗罪の故意を有している。異なる構成要件間の錯誤であっても、保護法益と行為態様で重なり合う脅迫罪の限度では規範に直面しているといえるため、乙に故意がある。
(ウ)よって、乙に脅迫罪の限度で共同正犯が成立する。
⑵ また、事後強盗罪を、脅迫罪と基本犯とする不真正身分犯と捉えるため、脅迫のみを行った乙には脅迫罪の限度で甲との共同正犯が成立する。
2 事後強盗罪の共同正犯が成立するとの立場(60条、238条)(①)
⑴ 窃盗の段階で逮捕されれば事後強盗罪は成立しないため、暴行脅迫行為が実行行為に当たる。また、「窃盗が」との文言より、事後強盗は「窃盗」のみが主体となる身分犯である。したがって、窃盗と暴行脅迫の結合犯ではなく、承継的共同正犯は問題とならない。
 65条の文理解釈から、1項は真正身分犯の成立・科刑、2項は不真正身分犯の成立・科刑を定めたものである。また、65条1項の「共犯」には、非身分者も身分犯の法益を侵害することができるため、共同正犯も含む。
 そして、事後強盗罪を不真正身分犯と解すると、事後強盗罪が暴行・脅迫罪を基本犯とするものとなり、本罪が財産犯であることと整合しない。そのため、事後強盗罪は真正身分犯と解する。
⑵ア 上記のように、甲乙には事後強盗罪の共謀が成立している。
イ 「脅迫」とは、事後強盗罪が強盗罪に準じた罪であることから、相手方の犯行を抑圧するに足りる程度の害悪の告知をいい、これは社会通念に照らし客観的に判断される。書かれざる構成要件として、窃盗の機会、すなわち、窃盗との時間的場所的近接性があり、被害者等の追跡が継続することを要する。
 上記のように、乙はCに対して害悪の告知をしている。そして、刃体10センチという殺傷能力の高いナイフをCに向かって示しながら、「ぶっ殺すぞ」と言っており、これは、通常相手方の犯行を抑圧するに足りるものといえる。
甲はコンビニのA T MでしたB銀行への窃盗未遂につき、Cからショルダーバッグを捕まれ店外に出さないようにしており、時間的場所的近接性があり、追跡が継続しているため、窃盗の機会にされたといえる。
 よって、「脅迫」をしており、共謀に基づき実行している(ⅱ)。
ウ 上記のように、甲は「逮捕を免れ」る目的を、乙は「財物を」「取り返される」目的を有していた。しかし、故意責任の本質は反対動機の形成可能性にあり、規範は構成要件により与えられているため、構成要件に該当する事実を認識認容していれば、故意は阻却されない。そして、目的が異なっても、同一の構成要件に該当する犯罪を実行していることに変わりはないため、故意は阻却されない。
エ 以上より、乙は事後強盗罪の共同正犯が成立し、私見も同様である。

 

 

②の立場は結合犯説であることを指摘できています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

承継的共同正犯も共同正犯の一類型であるため、共同正犯の要件を満たす必要があることを理解できています。
その上で、承継的共同正犯は共謀に基づく実行の認定において問題となることを指摘できています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

共犯の錯誤OK
構成要件の重なり合いは、行為態様+保護法益で判断されるこことを指摘できています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

①の立場が身分犯説からの説明であることを指摘できています。
また、冒頭で身分犯説に立つことを明示できているので読みやすい答案になっています。

 

65条の解釈・適用が問題となっていることを指摘できています。

 

 

身分犯説の中にも、真正身分犯と考える立場と不真正身分と考える立場に分かれますが、本答案は不真正身分犯説を批判した上で真正身分犯説に立つことを明示できています。
単に自説を論じるのではなく、反対の立場を批判できている点がポイントです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事後強盗罪の構成要件該当性を丁寧に指摘できています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

具体的事実の錯誤があることを漏らさず検討できています。

 

C答案

C ポイント

 乙がCに向かってナイフを示しながら、「離せ。ぶっ殺すぞ」と言った行為に事後強盗罪(238条)の共同正犯(60条)が成立するか。
1 乙に事後強盗罪の共同正犯が成立するとの見解は以下のように主張する。
乙の上記行為に事後強盗罪の承継的共同正犯が成立するか。
⑴ 共犯の処罰根拠は相互利用補充関係の下、法益侵害に因果性を及ぼす点にある。そうすると先行行為に因果性を及ぼせず、承継的共同正犯は認められないとも思える。もっとも先行者の行為及び結果を自己の犯罪の手段として積極的に利用した場合には先行行為に因果性を及ぼしたことと同視でき承継的共同正犯が認められると考える。
⑵ これを本件についてみると、乙は甲とともに万引きしたことがあり、甲がショルダーバッグを盗る癖のあることを知っていた。そして、乙は「またやったのか。」と問いかけ、甲は「こいつをなんとかしてくれ。」と申し向け、上記の行為をしている。これにより乙は何らかの分け前を得ることを期待していた。そうだとすると乙の甲の行為及び結果を自己の犯罪遂行手段として積極的に利用したといえる。
⑶ したがって乙に事後強盗罪の共同正犯が成立する。
2 乙には脅迫罪の限度で共同正犯が成立するにとどまるとの見解は以下のように主張する。
⑴ 乙の上記行為に事後強盗罪の共同正犯が成立するか。
ア 承継的共同正犯が成立するかについては前述のように考える。
イ これを本件についてみると、前述のように乙は「またやったのか」という問いかけに対して「こいつをなんとかしてくれ」と申し向けているのみであるから、分け前を約束されていない。したがって乙は先行者の甲の行為及び結果を自己の犯罪遂行手段として積極的に利用してはいない。
ウ したがって、乙の行為に事後強盗罪の承継的共同正犯は成立しない。
⑵ また乙がナイフを持って「離せ。ぶっ殺すぞ」と告げた行為は人を畏怖させるに足りる害悪の告知なので「脅迫」にあたる。
 また甲は「こいつをなんとかしてくれ。」と申し向け、乙がこれを了承しているため脅迫罪の共謀があり、甲はこれに基づいて行為をしているから「共同して犯罪を実行した」といえる。
⑶ よって甲の行為は脅迫罪(222条1項)の共同正犯が成立するにとどまる。
3 これに対して、私は以下のように乙に事後強盗罪の共同正犯が成立すると考える。
⑴ア 承継的共同正犯が成立するかについては前述ように判断する。
イ これを本件についてみると、乙は、甲とともに一緒に万引き行為をした経験を有するか、報酬を約束していないとしても甲を逃がすことを手伝えばなんらかの分け前を得られると考えていたと考えられる。そうだとすると乙は自己の利益を図るため犯罪を実行したといえ、甲の行為及び結果を犯罪遂行の手段として積極的に利用したといえる。
ウ したがって、甲には事後強盗罪の承継的共同正犯が成立する。
⑵ また、10センチものナイフを示されれば、通常は犯行ができなくなるので乙の行為は犯行を抑圧する程度の「脅迫」にあたる。また「脅迫」は窃盗の機会に行わなければならないところ、乙は甲が犯行をしたA T Mのすぐ近くで、現金を引き出そうとした直後に脅迫をしているので、時間的場所的近接性を有し、窃盗の機会に行ったといえる。
⑶ よって乙には事後強盗罪の共同正犯が成立する。

 

 

 

 

結合犯説に立っているようですが、事後強盗罪が結合犯と解される論拠を指摘できていません。
学説の理解を問われているわけですから、各学説の論拠を示す必要があるでしょう。

 

共謀が認定されておらず、承継的共同正犯の理解が誤っている。
承継共同正犯該当性はあくまで②共謀に基づく実行の要件の認定で決される点に注意が必要である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

身分犯説と結合犯説の対立についての理解が問われていたと思われますが、C答案は①、②いずれの立場についても結合犯説からの説明になってしまっています。これでは、学説の対立状況を理解できていないと判断される恐れがあるでしょう。

 

同じ事実を1⑵の当てはめとは真逆に評価しており、論理矛盾と捉えられかねません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

根拠が示されていません。なぜ身分犯説ではなく結合犯説が妥当なのかを説明しなければ本問の題意に答えたことにはならないので注意が必要です。

終始、結合犯説からの説明になってしまっています。

第3 B E X Aの考える合格答案までのステップ「5、基本的な事例問題が書ける」との関連性

B E X Aの考える合格答案までのステップとの関係では、「5、基本的な事例問題が書ける」との関連が強いでしょう。

 事後強盗罪の学説についてはどの基本書にも記載されているものであり、論証を覚えるだけではなく日頃から基本書を読み込んでいる受験生であれば十分対応可能な問題です。自説だけではなく、対立する立場からも説明できてるように準備しておきたいです。

第4 本問の考え方

【問題文及び設問】

令和元年司法試験 刑法の問題を読みたい方は、⇩⇩をクリック

法務省:https://www.moj.go.jp/content/001293667.pdf

 

1 事後強盗罪の法的性質
⑴ 身分犯説

 身分犯説は、事後強盗罪を「窃盗」という身分を持った者が行う身分犯であり、そのような身分がない者には事後強盗罪の単独正犯は成立しないが、身分がない者にも刑法65条を経由することによって事後強盗罪の共同正犯の成立を認めることが可能であると主張する立場です。
 身分犯説がこのように考える根拠は、刑法238条が「窃盗が」と規定していることにあります。身分犯説はこの「窃盗が」とは「窃盗犯人が」という意味であると解釈するわけです。したがって、身分犯説からは、「窃盗」という身分を有する者が「暴行又は脅迫」という実行行為をした場合に事後強盗罪が成立すると説明されることになります。
 身分犯説のもう一つの根拠は、事後強盗罪は窃盗犯人が「暴行又は脅迫」を行わない限り成立することはないという点から、同罪の実行行為は暴行・脅迫行為であり、かつ同罪の実行の着手時期は暴行・脅迫の開始時とされていることからも、「窃盗が」は窃盗犯人という身分を表すものと解する他はないという点にあります。
 このような身分犯説に対しては、暴行・脅迫行為だけを実行行為と捉えると事後強盗罪は専ら人身犯になってしまい、事後強盗罪が財産犯であることを没却することになりかねないという強い批判があります。

⑵ 結合犯説

 これに対し、事後強盗罪は身分犯ではなく、窃盗罪と暴行・脅迫罪が結合した結合犯であると考える立場が近年有力になっています。結合犯説によれば、事後強盗罪の実行行為は「窃盗行為+暴行・脅迫行為」となり、窃盗行為も実行行為の一部を構成することになることから、「窃盗」は身分ではないと考えるわけです。
 結合犯説の根拠は、事後強盗罪は窃盗犯人が「暴行又は脅迫」を行わない限り成立することはなく同罪の実行の着手時期が暴行・脅迫時点であるとしても財産犯である事後強盗罪の実行行為から窃盗行為を除外すべきではないという点にあります。

2 本問の当てはめ
⑴ 身分犯説からのアプローチ

【身分犯説からのアプローチ】
(※成立要件の認定と科刑の認定を混同しないよう要注意!)

(ステップ1)共同正犯の成立要件の定立(①共謀、②共謀に基づく実行)
→①事後強盗罪の共謀、②共謀に基づく実行があることを認定(これでとりあえず乙は共同正犯の成立要件に該当することが認定できる)


(ステップ2) 65条1項、2項の解釈を示した上、同条1項を適用することにより「窃盗」の身分がない乙にも事後強盗罪の共同正犯の成立を認めることができる旨を指摘

 まずは、甲と乙が事後強盗罪の共同正犯の成立要件を満たしていることを認定する必要があります(ステップ1)。なお、後述の結合犯説とは異なり、共謀に基づく実行の認定に際して承継的共同正犯の成否は問題とならない点に要注意。

 事後強盗罪を身分犯と解した場合、非身分者には刑法65条が適用されることになります。ここで刑法65条の意義が問題となりますが、判例・通説は65条1項と2項の関係について、1項は真正身分犯の成立と科刑を規定し、2項は不真正身分犯の成立と科刑を規定したものであり、さらに、65条の「共犯」には共同正犯が含まれると解しています。
 このように、刑法65条は真正身分犯と不真正身分犯の成立と科刑について規定したものですから、共同正犯の要件を検討後、乙に何罪の共同正犯の成立を認めることができるのかという点で論じる必要があることになります(ステップ2)。成立要件の検討と何罪の共同正犯を負うことになるのか(科刑)は別次元の問題であるという点に注意してください。

 真正身分とはその身分があることによって初めて処罰可能性が認められるものをいいますが、窃盗犯人という身分があることによって初めて事後強盗罪の結果発生を肯定することができ、処罰可能性が肯定されることから、「窃盗」犯人という身分は真正身分であるということができます(大阪高判昭和62.7.17も同旨)。

 このように考えれば、窃盗という身分を欠く乙についても、65条1項が適用されることにより事後強盗罪の共同正犯を認めることができます(60条、238条)。

⑵ 結合犯説からのアプローチ

【結合犯説からのアプローチ方法】

(ステップ1)共同正犯の成立要件の定立(①共謀、②共謀に基づく実行)の指摘

(ステップ2)事後強盗罪の共謀があることの認定(①の要件)

(ステップ3)甲の行為が共謀に基づく実行であるといえるか否かの認定(②の要件)←ここで承継的共同正犯の成否を論じる必要があります!


 結合犯説によれば、本問のように甲の窃盗後、つまり実行行為の途中から関与した乙については、関与前の行為・結果について帰責できるのかという「承継的共同正犯」の問題として処理することになります。

 承継的共同正犯については、最決平24.11.6形集66巻11号1281頁が参考になります。同決定は、共同正犯の処罰根拠を法益侵害に対する「因果性」に求め、結果に対する因果性が認められる限度で承継的共同正犯を肯定しています。

 従来の積極的利用説から検討すると、乙はすでに甲が行った窃盗を十分に認識しながらそれを積極的に利用する意思で甲と事後強盗罪の共謀をし、それに基づいて甲が持っているショルダーバッグを掴んで甲を逃さないようにしていたCに対して刃体10センチのナイフを示した状態で「離せ。ぶっ殺すぞ」と脅迫行為を行っています。もっとも、乙が加担する前に甲の窃盗行為は終了していたことからすれば、乙が甲の窃盗行為に因果性を及ぼしたとは評価することはあり得ないでしょう。したがって、乙は因果性が認められず、共謀に基づく実行がないので、事後強盗罪の共同正犯は成立しないことになります。

 もっとも、乙が上記の脅迫行為を行っていることは明らかですから脅迫罪の限度で共同正犯を成立させることは可能となります。ただ、乙の主観としては事後強盗罪であるため、共犯の錯誤を簡潔に指摘することを忘れないよう注意しましょう。

以上

 いつもBEXA記事「たまっち先生の論文試験の合格答案レクチャー」をお読みくださり、誠にありがとうございます。
 第25回は
令和元年司法試験 刑法から「
事後強盗罪の法的性質」合格答案のこつ について解説いたしました。次回以降も、たまっち先生がどのような点に気をつけて答案を書けば合格答案を書くことができるようになるかについて連載してまいります。ご期待ください。
 

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