2021年度ロースクールの入試まで残り約4か月になりました。
既修コースを目指すのはもう遅い? 隠れ未修でもいいから有名大学のロースクールに入ろう?
いいえ、まだ間に合います!
残り約4か月で、有名私大ロースクールの既修に合格する方法はあるのです。
今から諦めずに既修コースを目指す勉強をするのと、諦めて未修コースに諦めて勉強するのとでは、実はその後の人生が大きく変わる可能性だってあります(後述)。
今回は知識量で勝負しない、「解く」から始めて残り4か月でロースクール既修に逆転合格するアジャイル学習法をご紹介します。
Aさんがロースクール既修コース受験を決めたのは、大学4年生の4月でした。
しかし、大学4年春の時点で予備校を利用した経験がない、大学の授業やゼミも参加していたけれども、ロースクール入試を意識して勉強していたわけではない。
にもかかわらず、Aさんは見事、その年の夏の試験で有名私大K大学ロースクールに合格することができました!
Aさんが有名私大の既修コースに短期合格したのは、どんな秘密があるのでしょうか?
Aさんはまず、志望大学の過去問研究を始めました。
その過程で、Aさんは「ロースクール入試では論点は比較的分かりやすい形で出題される」ということを理解しました。
具体的には、Aさんの受験するロースクールの入試は、本格的な事例問題が出題されるとわかりました。しかし、一方で基本的論点が多くあり、知識量をとしては高い水準を求められているわけではないということがわかりました。
基本問題なので、論点がわかりやすく、奇をてらう問題は出題されないという傾向もわかりました。
基本的なことが書ければそれでOK。難しいことを書く必要はないことを理解したAさんは、問題演習をまず行い、そこで問われた規範だけを手持ちの論証集で暗記するというサイクルを繰り返すことで、たった4か月で有名私大のロースクールに合格したのです。
Aさんの学習方法を分析してみると、典型的なアジャイル学習であることが分かります。Aさんの学習は大きく分けて、三段階で構成されています。
①志望するロースクールの過去問を解いて、合格のために最低限の要素を抽出
②学習サイクル(スプリント)を決める
③スプリントを繰り返しながらゴールに向かっていく!
以下、それぞれの要素について解説します。
まず、過去問を解いてみましょう!※
過去問を解く際には、以下の点を考慮して、”最低限なにができればいいのか”を考えます。志望校によって”最低限なにができればいいのか”がことなるのが、ロースクール入試の難しいところですが、丁寧に時間をかけても構いません。
※過去問は各大学のHPから入手できます。
○過去問を解く際に考慮する要素
・本格的事例問題か説明問題か?
・配点的に上三法で十分か?
・足切りがないか
たとえば、上三法重視の配点の学校であれば、下四法は足切りを受けない程度の学習で構いません。本格的事例問題が出る学校は、多くの場合、知識量は求められないので、書く力重視の学習でかまいません。他方で、説明問題が出る学校対策としては、問題演習として論文より短答の比重を多くするべきです。
①で目標が設定できました。
次は、目標達成のために日々どう勉強するか考えなければなりません。
しかし、ひと月や二月後の事細かなの学習計画をグーグルカレンダーに書き込むのはやめましょう。
学習計画は、1週間のサイクルを決めるだけで充分です。このサイクルをアジャイル学習ではスプリントと呼びます。
スプリントは必ず、
(知る→)解く→深める→まとめる
の3段階で構成します。
問題を解いて、分からないところの知識を深め、まとめることで後で自分ができなかったところを参照できるようにする。この3段階は必ず、短期間のうちにセットでおこなわないと学習効率が極端に下がります。このため、BEXAでは、まずは1週間のスプリントを設定して学習することを推奨しています。
「解く」の前に「知る」を置くかどうかは教材や、学習の進捗によります。
スプリントを繰り返すごとに、自分が1週間にどれだけ学習できるかが分かってきます。そうすると、毎週の小目標を達成できるようになるので、成功体験を積み重ねながら学習することができます。これがアジャイル学習の大きなメリットの一つです。長大な
計画はしばしば遅延するので、失敗体験につながり、モチベーションを大きく通します。
また、学習の成否はメタ認知によるところが大きいです。
アジャイル学習では、小さいスプリントを繰り返すため、自分がわからないところを見逃しにくい、1週間の自分の学習量が把握できるという二重の意味で自分を知ることができます。このように学習法自体にメタ認知が埋め込まれているのがアジャイル学習の大きなメリットの一つなのです。
とはいえ、あと4か月しかない皆さんにはアジャイル学習の一般論を解いて、学習設計から学んでもらう暇はないかもしれません。また、ロースクール入試では論述問題問題が出題されるので、素早く、答案の書き方を学ぶ必要があります。
そこで、今回は4S基礎講座、司法試験道場を使ったモデル学習法を用意しました。
4S基礎講座は、4S図を使った論文解法パターン講義(論パタ講義)と、知識を補完する条解講義の2つの講義で構成されています。
基本的なスプリントは、
論パタ講義1回→復習・問題文と条文から自分で処理→4S図を自力で作る→条解講義1回→短答過去問
これを繰り返します。
志望大学の過去問から
・論述重視であれば、4S図を作ることを中心にスプリントを組む。短答過去問は時間がなければ省略可能
・知識重視であれば、4S図は書くが最低限、条解講義+短答重視
以上のスプリントをこなすことが可能です。
○司法試験道場
司法試験道場の短文事例問題講座は基本7科目(憲法・行政法・民法・商法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法)を1問約10分、7科目283問の短文事例問題を用意しています。すべて基本問題です。1問10分×283問=約48時間で全問解き終わります。
▼1問10分で基本問題を習得
短文事例問題講座では超基本問題を1問10分で解説します。
吉野先生が問題点の把握方法・問題から発想すべき知識を解説し、そこから答案への落とし込む思考プロセスを解説します。
▼実践的な答案例
短文事例問題講座の答案例は全員予備試験合格者(その後司法試験合格)が答案のを作り上げています。
法律答案の形が分からない方でも安心して参考にしていただけます。
▼解いてから受講でも、受講してから解くでもOK
ロースクール合格が目的ですので、ここでは
・基本論点の見つけ方
・答案の処理手順
が把握できれば十分です。
そのため、受講してから一度解いてみる方法でも大丈夫です。
▼1問終わったらお手持ちの論証集/インプット講座で該当箇所を確認!
問題が1問終わったらお手持ちの基本論証集で確認しましょう。
さらに、司法試験道場の該当箇所を確認しましょう。
「解く」学習をした後に知識をインプットすることで知識の定着が図れます。
司法試験道場は、テーマごとにタイトルがついているので、短文事例問題講座で扱ったテーマが見つけやすいです。
▼インプット講座はすべてを網羅する必要なし!
短文事例問題・論証集・該当のインプット講座この3つ高速で回すことで「解く」から「知る」のアジャイル学習が完成します。論述重視であればこれで充分です。
これを4か月続ければ、基本問題を「解ける」力が身に付きます!
実はロースクール対策で「解く」学習方法を身に着ければ、2022年以降の予備試験・司法試験対策に直結します。
多くの短期合格者はインプットを早々に切り上げ、問題演習を実践していました。
つまり、今まで提案してきた方法は、予備試験・司法試験対策にそのまま使えるのです。
仮にロースクールに未修者として入学することになっても、身に着けたアジャイル学習によるメタ認知を駆使した勉強法と自分ができないところが把握しているあなたは、ロースクール生活で素晴らしスタートダッシュを切れるはずです。
それどころか、学習を継続すれば、秋以降の国公立ロースクールや来年度の予備試験を突破することも夢ではありません。
そのため、地力を作る期間としてぜひ今から有名私大の既修コース試験にチャレンジしてみてください。
その勉強は無駄ではありません。2022年予備試験を受けるためにその勉強方法を続けてください
役に立った:3