私が司法試験を目指したのは、大学3年生の頃でした。新型コロナウイルスの影響で将来について深く考える時間ができ、混沌とした時代の中、一般企業への就職よりも、資格を持って弁護士として活躍したいという思いが芽生えました。予備校の基礎講座も受講しないまま、いきなり伊藤塾の「論文マスター」から学習をスタートしました。司法試験の肝は論文であると考え、日本語の問題として論文に先に触れるべきだと考えたのです。基礎講座は受けず論文から入りました。大学1、2年生の頃は勉強をほとんどしていなかったため、司法試験を目指す意識もなく、基礎が十分ではないままのスタートだったので苦労はありましたが、試行錯誤しながらのスタートとなりました。ただこの頃は、同じ大学内に同じ道を目指す仲間がおらず、コロナ禍で自宅学習が中心だったため、モチベーション的に辛い時期でもありました。
論文マスターは配信順に聴き、約半年で一周しその後は問題集の周回に入りました。短答対策としては某予備校の教材を使用し「上三法」(憲法、民法、刑法)から始めました。
大学3年生の夏、独学を続ける中で一つの気づきがありました。大学の図書館で勉強していたとき、論文における「論証ブロック」の重要性に気づいたのです。当時は何をどう覚えれば論文が書けるようになるか分かりませんでした。一時期は基本書の内容を理解・暗記しようとしましたが、初学者だった私には覚える量が膨大で、完全に途方に暮れていました。
転機となったのは、伊藤塾の論文マスター(論文演習)に取り組んでいたときのことです。答案例の中に、論証集にある論証ブロックとまったく同じ表現を発見したのです。「まず論証ブロックを覚え、そこから応用・修正していけばいい」——そう気づいた瞬間、論証集を体系的に習得することが論文攻略の核心だと確信しました。一人で感動したことを今でも覚えています。それ以来、一言一句覚える勢いで論証の暗記に取り組みました。
秋頃には答練も受講しましたが、当初は「ボロクソ」な評価。それでも無理やり、書く習慣をつけることができました。答練で出た問題は今でも覚えており、自分の知識不足を認識し、答案作成する経験ができたいい機会だったと思います。翌年3月頃まで答練を続けましたが、予備試験の短答式試験の勉強が忙しくなったため、途中で半端になってしまいました。
予備試験を大学3年生と4年生の2回受験しましたが、短答式試験で合格点には届きませんでした。そのまま地元の法科大学院の既修コースに入学しました。
ロースクール1年目の秋からロースクール2年目の春ぐらいまで、自主ゼミで3人組の友達と答案を見せ合い、学校がある期間は週1回、長期休みには週5回ほど起案してお互いに採点し合いました。この取り組みが論文のフレームワークを確実にするのに役立ちました。
ロースクール1年目の秋から冬にかけて、私は大きな壁にぶつかりました。2週間のエクスターンシップで疲弊し、弁護士になりたい理由を見失い、「もう無理」と心が折れてしまったのです。この状況の中、勉強時間はほぼゼロの期間が3月末まで続きました。参加していたゼミも放り投げてしまうことが多くなりました。しかし、3月末に久しぶりに学校へ行くと、周囲が司法試験モードになっているのを見て、ハッとしました。自分が学習を休んでいた間も、周囲の仲間たちは受験モードで学習を進めていたのです。「このままではやばい!」と感じ、ここまで頑張ってきた時間的なコストも考え、再び勉強を始める決意をしました。この時期、多くの人が受ける模試は受験しませんでした。模試を受けるよりも、知識の修復を優先した方が良いと考えたからです。
直前期は猛勉強したものの、残念ながら、この年の受験は不合格となりました。
11月、司法試験不合格が分かった時期、私は解決策を求めて行動を起こしました。複数回受験で合格した人にDMを送り、自己分析を徹底的に行うことの重要性を学びました。
自己分析の結果、答案構成の段階で改善が必要だと認識し、二つの対策を講じました。
特に評価のリストアップは、学者答案や解答例を見て抽出し、Wordファイルで自分のノートを作成しました。この方法は「めちゃくちゃ良かった」と実感できるほど効果的でした。
3月頃までは手応えがありませんでしたが、合格した試験の直前に初めてTKC模試を受けた際、他の受験生との相対評価で合格推定のラインに乗ったことで、「これはいける」と感じ始めました。
過去問演習も徹底しました。ロースクール1年目の受験直前に平成28年までの過去問を一通り解き、2年目は何回も解き直しました。現場思考の問題でフリーズしないよう、問題の意図に気づき、事実から逆算して立論する思考を身につける練習も重ねました。
2回目の受験直前は、モチベーションが回復し、1ヶ月に200時間(約7時間/日)という集中した学習時間を確保しました。この頃の短答対策では辰巳の「短答パーフェクト」やLECの「択一六法」を使用しました。
論文対策は、伊藤塾の「論文マスター」とアガルートの「論証集」を軸に進めました。刑事訴訟法はオリジナルの論証集を作成し、他科目は伊藤塾の論証に一元化。論証を分散させず整理したことで、直前期も安定して答案を書けるようになりました。
もっとも、論文で差がついたと感じているのは、BEXAの沢田隆先生による「論点処理マニュアル 憲法(人権)」を使った論文処理手順の理解です。知識や論証を覚えていても、実際の答案でどう使うかが曖昧なままでは得点につながりません。沢田先生の教材は、憲法の人権分野における基準の立て方や当てはめの流れが整理されており、「何を、どの順番で、どう書くのか」が明確になります。特に基準の整理が一枚に凝縮されたページは、それだけで講座の価値があると感じるほど秀逸で、答案作成時の迷いを大きく減らしてくれました。
論証集の一元化で“材料”を整え、論点処理マニュアルで“使い方”を身につける。この二つがかみ合ったことで、論文答案に一貫性が生まれ、安定して点を取りにいけるようになったと実感しています。
そして、2回目の司法試験で合格することができました。合格に繋がった最も大きな要因は、1回目の不合格後の自己分析と、それに基づいた具体的な対策でした。答案構成の時間短縮、評価のリストアップ、そして自主ゼミでの答案検討。孤独だった学習も、仲間を見つけることで乗り越えることができました。心が折れた時期もありましたが、周囲の姿を見て奮起し、時間的なコストを冷静に考えて再スタートを切ったことが、最終的な合格につながったのだと思います。
とにかく模試や試験の過去問を解くべきです。特に複数回受験生の方には、過去の模試も復習しておくべきだと思います。今年の司法試験でも過去の模試からの論点が出題されていました。多くの再受験生が模試を受けるだけで、過去の論点を忘れてしまっているのではないでしょうか。それはとてももったいないことだと思います。模試や過去問を解く際には、時間がない場合でも答案構成は行ったほうがいいです。頑張ってください。
今後は身近な街の弁護士になりたいです。そして大きな目標としては、得意な憲法問題を取り扱って最高裁の大法廷に立って弁論したいと思っています。
| 区分 | 教材 | 提供 |
|---|---|---|
| 憲法 | 『司法試験&予備試験 短答過去問パーフェクト』 | 辰已法律研究所 |
| 憲法 | 『司法試験&予備試験 完全整理択一六法』 | 東京リーガルマインド |
| 憲法 | 『憲法判例百選』 | 有斐閣 |
| 民法 | 『司法試験&予備試験 短答過去問パーフェクト』 | 辰已法律研究所 |
| 民法 | 『司法試験&予備試験 完全整理択一六法』 | 東京リーガルマインド |
| 刑法 | 『司法試験&予備試験 短答過去問パーフェクト』 | 辰已法律研究所 |
| 刑法 | 『司法試験&予備試験 完全整理択一六法』 | 東京リーガルマインド |
| 科目 | 教材 | 提供 |
|---|---|---|
| 憲法 | 『論文ナビゲートテキスト』 | 伊藤塾 |
| 憲法 | 『憲法ガール』 | 著者:大島義則 出版社:日本評論社 |
| 憲法 | 『司法試験の問題と解説』 | 日本評論社 |
| 憲法 | 『憲法判例百選』 | 有斐閣 |
| 憲法 | 『基本憲法Ⅰ』 | 日本評論社 |
| 科目 | 教材 | 提供 |
|---|---|---|
| 民法 | 『論文ナビゲートテキスト』 | 伊藤塾 |
| 民法 | 『司法試験・予備試験 総合講座 論証集』 | アガルートアカデミー |
| 民法 | 『司法試験 論文マスター』 | 伊藤塾 |
| 民法 | 『基礎問題演習講座』 | 加藤ゼミナール |
| 民法 | 『司法試験の問題と解説』 | 日本評論社 |
| 民法 | 『民法判例百選Ⅰ』 | 有斐閣 |
| 科目 | 教材 | 提供 |
|---|---|---|
| 刑法 | 『論文ナビゲートテキスト』 | 伊藤塾 |
| 刑法 | 『基礎問題演習』 | 加藤ゼミナール |
| 刑法 | 『応用刑法Ⅰ 総論』 | 日本評論社 |
| 刑法 | 『基本刑法Ⅱ 各論』 | 日本評論社 |
| 刑法 | 『大塚裕史 司法試験過去問講座』 | LEC東京リーガルマインド |
| 刑法 | 『司法試験論文過去問LIVE解説講義本』 | 辰已法律研究所 |
| 刑法 | 『司法試験の問題と解説』 | 日本評論社 |
| 科目 | 教材 | 提供 |
|---|---|---|
| 行政法 | 『論文マスター』 | 伊藤塾 |
| 行政法 | 『論文ナビゲート』 | 伊藤塾 |
| 行政法 | 『行政法ガール』 | 著者:大島義則 出版社:法律文化社 |
| 行政法 | 『司法試験の問題と解説』 | 日本評論社 |
| 行政法 | 『行政法解釈の基礎』 | 著者:橋本博之 出版社:日本評論社 |
| 行政法 | 『基本判例演習』 | 日本評論社 |
| 科目 | 教材 | 提供 |
|---|---|---|
| 会社法 | 『論文ナビゲートテキスト』 | 伊藤塾 |
| 会社法 | 『司法試験・予備試験 論証集』 | アガルートアカデミー |
| 会社法 | 『総まくり論証集 商法』 | 加藤ゼミナール |
| 会社法 | 『司法試験 論文マスター答練』 | 伊藤塾 |
| 会社法 | 『基礎問題演習』 | 加藤ゼミナール |
| 会社法 | 『会社法判例百選』 | 有斐閣 |
| 会社法 | 『司法試験論文過去問LIVE解説講義本』 | 辰已法律研究所 |
| 会社法 | 『司法試験の問題と解説』 | 日本評論社 |
| 科目 | 教材 | 提供 |
|---|---|---|
| 民事訴訟法 | 『論文ナビゲートテキスト 民事訴訟法』 | 伊藤塾 |
| 民事訴訟法 | 『司法試験・予備試験 論証集 民事訴訟法』 | アガルートアカデミー |
| 民事訴訟法 | 『総まくり論証集 民事訴訟法』 | 加藤ゼミナール |
| 民事訴訟法 | 『司法試験 論文マスター答練 民事訴訟法』 | 加藤ゼミナール |
| 民事訴訟法 | 『民事訴訟法判例百選』 | 有斐閣 |
| 民事訴訟法 | 『民事系1位が作った民事訴訟法判例百選基本講義』 | BEXA |
| 民事訴訟法 | 『司法試験論文過去問LIVE解説講義本』 | 辰已法律研究所 |
| 民事訴訟法 | 『司法試験の問題と解説』 | 日本評論社 |
| 科目 | 教材 | 提供 |
|---|---|---|
| 刑事訴訟法 | 自作論証集 | |
| 刑事訴訟法 | 『刑事訴訟法判例百選』 | 有斐閣 |
| 刑事訴訟法 | 『司法試験論文過去問LIVE解説講義本新庄健二刑訴法』 | 辰已法律研究所 |
| 刑事訴訟法 | 『司法試験の問題と解説』 | 日本評論社 |
2026年3月25日 BEXA事務局
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