利益相反取引・競業取引の「第三者のために」の範囲

会社法356条の「第三者」がいかなる範囲まで含まれるかわかりません。

利益説で考える間接取引の場合、取締役が相手方会社の株式の過半数を有していたら「第三者」にあたりうるという議論は知っているのですが、それ以外の場合、例えば取締役の親族が利益を得る場合、親戚が利益を得る場合、友達が利益を得る場合など、どこまでの範囲であれば「第三者」が利益を得ると考えてよいのか線引きが調べてもわかりません。

お忙しいところ申し訳ないのですが、教えてください。
未設定さん
2015年11月20日
民事系 - 商法・会社法
回答希望講師:加藤喬
回答:1

ベストアンサー ファーストアンサー
加藤喬の回答

 間接取引の成立範囲について、「外形的・客観的に会社の犠牲で取締役に利益が生じる形の行為」(リーガルクエスト第5版207頁)に限定せず、個別的実質的基準により判断する見解によった場合における、具体的な線引き基準については、詳しい説明がないので、難しいです。

 ただ、一つの視点として、利益衝突の危険性が、利益相反取引規制による一般的・形式的規制を及ぼすべきほどのものなのか、それとも規制423条1項責任による事後的な対処で足りるものなのか、ということが重要であると思います。

 単に親族が利益の直接的な帰属先であるというだけでは、利益相反取引規制による一般的・形式的規制を及ぼすには不十分です。親族と取締役の関係性によります。

 あまり具体的な回答はできませんが、こんな感じです。

 少なくとも、司法試験レベルでは、以上の理解で十分であると思います。 

2015年11月23日


未設定さん
お忙しいところ、迅速かつ丁寧な回答ありがとうございます。

2015年11月23日