間接取引の成立範囲について、「外形的・客観的に会社の犠牲で取締役に利益が生じる形の行為」(リーガルクエスト第5版207頁)に限定せず、個別的実質的基準により判断する見解によった場合における、具体的な線引き基準については、詳しい説明がないので、難しいです。
ただ、一つの視点として、利益衝突の危険性が、利益相反取引規制による一般的・形式的規制を及ぼすべきほどのものなのか、それとも規制423条1項責任による事後的な対処で足りるものなのか、ということが重要であると思います。
単に親族が利益の直接的な帰属先であるというだけでは、利益相反取引規制による一般的・形式的規制を及ぼすには不十分です。親族と取締役の関係性によります。
あまり具体的な回答はできませんが、こんな感じです。
少なくとも、司法試験レベルでは、以上の理解で十分であると思います。
2015年11月23日