「経済法論証・処理手順」価格カルテルと行政指導

事業者間の合意が「適法な行政指導に従い、これに協力して行われた」場合には、公共の利益に反しないとされています。石油価格カルテル刑事事件の判旨も同趣旨であると理解しています。
もっとも、同百選解説にもあるように、適法な行政指導に従った場合であっても、更に当該合意が法1条の究極の目的に反しないか否かを検討することが必要だと、学説上述べられているようです。
「適法な行政指導に従ったといえるならば、『公共の利益に反』しない」とい言い切る形の趣旨の論証はやや危ういように思われますが、いかがでしょうか。(もっとも、論点解析Q1もレジュメと同様の解説をしています。)
2019年5月28日
選択科目 - 経済法
回答希望講師:ーー
回答:1

ベストアンサー ファーストアンサー
ーーの回答

「やや危うい」と考えるのならば、質問者としては、ご質問のとおり解答するより他ないのではないでしょうか。

そもそも行政指導事例において、かかる規範のみが網羅的に妥当するとは思われず、論証集のとおり処理するとしても、それは当該事例が最高裁の規範が適用できる前提が必要だと思われます。そのため、質問者のいう2段階判断をするかどうかは別としても、その前提があるかどうかは真摯に検討せねばなりません。そして、論証集の規範が用いることができないならば、当初の大枠にしたがって判断をすべきです。つまり、論証集の規範を用いるかどうかは事案次第であり、その意味で、本質問の回答としては、質問者が危ういと考える事案であれば、その考えを明示した上で、カルテル事件の最高裁とは異なる枠組み用いる他ないというものになります。

とてもいい質問だと思いました。回答が遅れてしまいました。申し訳がありません。

2019年6月6日