刑法 「実行」の「着手」

実行の着手の論点(密接性・危険性)って、いつ、どのような場面で問題になるのか分からないので教えてほしいです。
具体的には甲が「致死量に満たない毒を料理に混ぜ」て乙が帰宅後にこの料理を食べるという事例での殺人罪の検討での話です。
これって、密接性・危険性の話しなくても不能犯の検討だけで足りないのでしょうか?
不能犯を乗り越えた時点で法益侵害の現実的危険が満たされて実行行為と出来るような気がするのですが…

クロロホルム事件で密接性・危険性が問題になる理由は理解できます。
2019年3月13日
法律系資格 - 予備試験
回答希望講師:中村充
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ベストアンサー ファーストアンサー
中村充の回答

それらの処理には、様々な整理・見解があるようです。
私は、
・ある行為が実行行為(法益侵害の現実的危険ある行為)に当たるかについての検討を精密化したのが不能犯の問題。
・実行行為性が認められる行為に着手した時点で実行の着手が認められる。
(・クロロホルム事件における密接性は、行為の一連性の検討段階に位置づける。同危険性は、上記実行行為に当たるかの検討段階に位置づける。)
といった整理をしています。
これが最もシンプルで、司法試験系の全過去問への汎用性が高く、合格可能性を最も高めると思っているからです。

これによると、その事例では、甲の「致死量に満たない毒を料理に混ぜ」た行為が、法益侵害の現実的危険ある実行行為といえる(「不能犯を乗り越え」られる)なら、その行為に着手した時点で実行の着手が認められるので、密接性(・危険性)の話をする必要はないでしょう。
その後、乙がその料理を食べる前に、甲の別の行為があれば・予定されていれば、行為の一連性の検討の中で密接性等を判断しますが。

2019年4月3日

匿名さん
つまり、この論点はある行為が直接に結果を発生させるとは言えない場合に、その行為の時点で実行行為に着手したといえるか?という意味ですか?
例えば、人を刺すことが殺人の実行行為に当たることは明らかだけど、本文で書いたような「毒入り料理を作る」は食べさせる前の作った時点で実行行為に着手してるの?という感じですか?

また、先生の考え方の場合、「実行」の「着手」の論点を丸ごと落とすことになるのでしょうか?

2019年4月5日