裁量統制における規範

他事考慮や考慮不尽等の事案で裁量権の逸脱濫用を導く際の規範を、「判断過程の過誤があれば裁量権の逸脱濫用となる」と定立することは、誤りないし不適切として減点されるでしょうか?判例の言い回し等ありますが、これだと規範が短くて済むので、答案でもこのように書きたいのですが。
2019年3月12日
法律系資格 - 司法試験
回答希望講師:伊藤たける
回答:1

ベストアンサー ファーストアンサー
伊藤たけるの回答

ご質問ありがとうございます。
減点されるかどうかは別として「その基礎とされた重要な事実に誤認があること等により重要な事実の基礎を欠くこととなる場合、又は、事実に対する評価が明らかに合理性を欠くこと、判断の過程において考慮すべき事情を考慮しないこと等によりその内容が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものと認められる場合に限り、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法となる」との規範を定立できた人との差はつきますよね。
どのような場合に「判断過程の過誤」と認定できるかを具体化しているわけですから、①基礎とされた重要な事実の誤認、②事実に対する評価が明らかに不合理か、③考慮不尽・他事考慮の3つの要件は、最低限あげておくべきです。

2019年3月12日


匿名さん
ご回答頂きありがとうございます。規範の内容で差がつくというのは、先生のご指摘の通りだと思います。
そうだとしても、例えば専ら考慮不尽や他事考慮(③)のみが問題となっているような事案において、①や②まで規範として掲げる必要はあるのでしょうか?①ないし③は裁量権の逸脱濫用が認定される具体例であり、また、少なくとも司法試験において、規範は事案解決のために必要十分な範囲で掲げれば足りるものだとすると、③のみが問題となる事案においては、最低限③のみを具体例として掲げておけば足りるように思ったのですが。。

2019年3月15日

ケースバイケースですが、一般論が提示されている場合、それを省略すると「知らない」と評価されるリスクが伴うため、私ならば省略はしませんね。
たいした文字数ではないので、規範は正確に再現するべきです。

2019年3月15日