自分なりによく考えているようで、大変好感が持てる質問の方法ですね。
ご指摘のあった2つの考え方を「接合」する方法が、私のイメージに最も合致します。
すなわち、目的手段審査のフレームワークや、違憲審査基準論の考え方に基づき、具体的な規範を導き出す方法です。
たとえば、厳格審査基準なのであれば、やむにやまれぬ目的のために、必要最小限度の手段という違憲審査基準を適用することになりますが、平成27年の事案であれば、目的は、業務遂行の確保に特定されますよね。
そうすると、業務遂行の支障が生じるおそれがある場合には、正式採用しないという手段をとることも正当化され得ますが、その手段は必要最小限度でなければなりません。
この「おそれ」を判断するにあたって、厳格審査基準と同程度と明白かつ現在の危険の基準を適用するという主張が考えられます。
具体的な規範としては、業務に著しい支障が生ずる明白活現在の危険があることが明らかなような場合に限られる、といったように論じる余地があるでしょう。
なお、違憲審査基準は、権利の重要性や規制態様等も考慮要素ではあるものの、そこから勝手に発明するべきものではありません。
学説やアメリカの判例法理が適用する原則的な事案類型と違憲審査基準から「選ぶ」のが原則であり、例外的に修正するのであれば、なぜ原則の事案類型と「区別」できるのかを論じるべきですね。
2019年2月24日