適用違憲で平等権の基準について述べる場合について

合理的差別かどうかを論じる際、適用違憲の場合、どのように基準立てすれば良いでしょうか。法文の文言を厳格に解釈するような場合を想定しています。

例えば処分の根拠条文にある「正当な理由」という条文を、公権力が私人へ適用する場合を想定します。この場合人権の重要性に鑑みて「人の生命身体に差し迫った危害が及ぶ場合」のみがこれに当たると論述するかと思います。

しかしこれが差別的適用を問題にする場合、合理的差別かどうかを判断する枠組みの中で、どのように文言解釈をねじ込むのでしょうか。それとも高橋先生の本にあるように、処分にたいして目的効果基準を用いて審査すべきでしょうか。
未設定さん
2015年10月31日
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伊藤たけるの回答

伊藤たけるです。
回答させていただきます。

いわゆる処分(適用)違憲の論じ方にはいろいろありますが、必ずしも要件解釈に限定する必要はありません。

たしかに、可能な限り、法令を活かそうという観点からは、処分要件を違憲審査基準の趣旨に合致するように、限定的、あるいは、憲法適合的に解釈するべきでしょう。
よど号新聞記事抹消事件判決や、堀越事件判決、泉佐野事件判決の一部分については、この判断手法でしょう。

しかし、処分(適用)違憲では、処分要件とは離れて、行政作用そのものが憲法に適合するのかを審査する場合があり得ます。
たとえば、法の一般原則である比例原則違反、平等原則違反のほか、泉佐野市民会館事件判決のように、見解差別禁止、敵対的聴衆の法理などもあります。
これらは、処分要件の解釈としてではなく、行政作用そのものの合憲性について、ダイレクトに審査しています。

そのため、処分(適用)違憲においては、文言解釈にねじ込めない場合には、目的手段審査を用いればよいと思われます。

2015年11月5日