既判力について

既判力において作用場面を論じることに意味はあるのでしょうか?
自分の理解では後訴の主張が前訴の訴訟物の存否を争うか否かという点と時的限界を検討すればいいと思うのですが、演習書にはまず、訴訟物の同一、先決関係とかを論じていて、そもそも同一関係でもすべての主張が既判力に触れるわけではないのでは?と思い疑問です・
2019年1月16日
法律系資格 - 予備試験
回答希望講師:中村充
回答:1

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中村充の回答

意味ある派(形式重視?)と意味ない派(実質重視?)に分かれているようです。

意味ない派の有力資料としては、高橋宏志『重点講義民事訴訟法 上』(第2版補訂版:有斐閣)P588の「時に、訴訟物が同一の場合等に既判力が働くという説明が見られないではない。この説明でも大過ないのであるが、しかし、本来は、前訴の訴訟物に既判力が生じているから訴訟物同一、矛盾、先決の後訴に既判力が作用していくと理解すべきであり、右の説明は本末を転倒していると言うべきであろう。訴訟物同一、矛盾、先決を先に考えると、同一、矛盾、先決ではないのではないかと悩む例が生じうる。」が挙げられます。

私も、上記資料、予備H24設問1主張②・司法H27設問3などの解きやすさ、汎用性等から、基本的には意味ない派です。
3つの作用場面のうちどれに当たるかは、基本的には余裕があれば触れればよいものと考えていますが、“意味ある派”の筋をゴリ押しするような誘導を含む問題が万が一出てしまったら、それに従わざるを得ないとも考えています。

2019年1月19日