行政法の思考手順

行政法の実体法上の違法についての思考手順をお尋ねします。
たとえば、民法であれば、①当事者の生の主張→②訴訟物(請求権)→③要件充足性。会社法であれば、①効力発生前・後のいずれの問題か、②誰から誰に対する請求か。このように、未知の問題に対しても一定の思考手順に従って問題を処理することができます。しかし、行政法の実体法上の違法においては、このような思考手順が分かりません。
そこで、行政法の実体法上の違法において未知なる問題(誘導が不明)が出題された場合の思考手順をお尋ねします。
未設定さん
2015年10月29日
その他 - その他
回答希望講師:伊藤たける
回答:1

ベストアンサー ファーストアンサー
伊藤たけるの回答

行政法の分野では、法律による行政の原理がありますので、まずは処分要件を満たすのかを真っ先に検討するべきです。

そのため、ある処分がなされている場合には、その根拠となる(であろう)条文を探しあてて、その要件を解釈して、規範を定立するべきでしょう。
その上で、与えられた具体的事実を基礎として、これらの処分要件を満たすのかを検討することになります。
これは、通常の法的三段論法と何ら変わりありません。

もっとも、条文の要件が抽象的である場合、専門技術的裁量が認められるであろう場合、国民に対して特権を付与する場合等の事情があれば、処分要件を裁判所が確定することはできませんから、行政裁量の逸脱・濫用が問題となります。
ここでは、法令の趣旨・目的や、行政法の一般原則から、考慮すべき事項、考慮すべきでない事項、事実評価のあり方などを論じることになります。

その他、処分要件や根拠法とは別に、法の一般原則に反する場合には、無効となる場合もあり得ます(余目市の浴場判決など)。

2015年11月5日