行政法の分野では、法律による行政の原理がありますので、まずは処分要件を満たすのかを真っ先に検討するべきです。
そのため、ある処分がなされている場合には、その根拠となる(であろう)条文を探しあてて、その要件を解釈して、規範を定立するべきでしょう。
その上で、与えられた具体的事実を基礎として、これらの処分要件を満たすのかを検討することになります。
これは、通常の法的三段論法と何ら変わりありません。
もっとも、条文の要件が抽象的である場合、専門技術的裁量が認められるであろう場合、国民に対して特権を付与する場合等の事情があれば、処分要件を裁判所が確定することはできませんから、行政裁量の逸脱・濫用が問題となります。
ここでは、法令の趣旨・目的や、行政法の一般原則から、考慮すべき事項、考慮すべきでない事項、事実評価のあり方などを論じることになります。
その他、処分要件や根拠法とは別に、法の一般原則に反する場合には、無効となる場合もあり得ます(余目市の浴場判決など)。
2015年11月5日