任務懈怠の損害額について

ある事例で、会社が土地αを購入しようと思って、3億円と不動産鑑定士に評価してもらって、取引相手が渋っていたために120%の3億6000万円で売買し、その土地を取得した後に市場価格が2億6000万円になった場合に、任務懈怠の損害としてはいくらになりますか?損害の基準時を取引時をすれば6000万円のような気もするのですが…。
2018年12月22日
民事系 - 商法・会社法
回答希望講師:中村充
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中村充の回答

まず、そもそも(代表取締役?の)任務懈怠が認められるのか、疑問です。
“3億円と不動産鑑定士に評価してもらって”それを信頼することには善管注意義務(・忠実義務)違反がないといえますし、“取引相手が渋っていた”ならば、会社の資産状態や土地αの必要性等にもよりますが、3億円ベースד120%の3億6000万円で売買し”たのも同義務違反とはいいにくいと考えました。
こう考えると、任務懈怠がない以上、それによって生じた損害もゼロです。

もし、(代表取締役?に、)土地αを不動産鑑定士による評価額3億円以内で買えるよう上手く交渉等する(善管注意・忠実)義務があったとすると、3億6000万円で買うに至るまでの行為に同義務違反=任務懈怠が見出せます。
この任務懈怠がなければ、つまり上手く交渉等できていたら、土地αを3億円で買えていた…といえるなら、この任務懈怠によって3億6000万円-3億円=6000万円の損害を被ったことになります。
このように、損害の基準時以前に、任務懈怠や因果関係の捉え方次第で、損害額が変わってきます。

そして、土地αを取得した後に市場価格が下がって2億6000万円になったことは、民法416条2項の「特別の事情」と考えられますから、これを債務者=代表取締役?が、債務不履行時=上記任務懈怠時に「予見し、又は予見することができた」といえるなら、3億円ー2億6000万円=4000万円が、上記特別の事情「によって生じた損害」額として上乗せされると考えられます。

2018年12月24日