準現行犯逮捕について

司法試験H25年の出題趣旨では「準現行犯の場合には…「罪を行い終わってから間がない」という犯行との時間的接着に加えて,刑事訴訟法第212条第2項各号の要件により,犯罪と犯人の明白性の保障が図られている。」というように各号の要件該当性を犯罪と犯人の明白性の要件充足性を検討するための一要素かのように論証しているのに対し、同年の採点実感は「ところが…同項各号の要件該当性を犯罪と犯人の明白性の要件充足性を検討するための一要素として論じる等,同項の構造を理解していないと思われる答案が相当数見受けられた。」と否定的に捉えています。「一要素」とは、どのような意味で使ってはいけないという意味なのでしょうか?
2018年12月7日
刑事系 - 刑事訴訟法
回答希望講師:国木正
回答:1

ベストアンサー ファーストアンサー
国木正の回答

回答が遅れてしまいましたが、私の見解を記載しておきます。

いわゆる準現行犯逮捕に関する条文の構造は、212条2項柱書による要件緩和を212条2項1号から4号にあたる客観的事由の存在により補うというものです。すなわち、一方の要件は緩和するものの、他方で別途要件を加重することによって、全体としてみれば本来の現行犯と同じであると考えるのです。平成25年司法試験出題趣旨で指摘されている内容も結局はこの点に尽きます。

同年採点実感で明確に指摘されているのは、212条2項各号要件と明白性要件とを書き分けない意答案に対する否定的評価です。

2018年12月17日


匿名さん
丁寧な回答ありがとうございます。
採点実感や出題趣旨自体が何を言っているのかわからないところをこのように補っていただけますと助かります。

2018年12月17日