ご質問ありがとうございます。
6条の天皇の任命については、2つの立場があります。
1つは、内閣の助言と承認は単なる形式的・儀礼的に付加された要件であるから、内閣総理大臣の任命でも必要と解する樋口先生の見解です(注釈1・96頁)。
他方、伝統的な宮沢説は、助言と承認は実質的決定権であると解する立場であり、すでに他の機関が指名しているならば、助言と承認は無意味な手続であり、必要がないとする見解です(宮沢・全訂97頁)。
私は、平成18年第16問肢5の「憲法が定める天皇の任命行為は、すべて内閣の助言と承認に基づいて行われる」というものが×とされていることから、宮沢説の立場であると考えて、解説をしたものでした。
ところが、平成25年第14問アについて、〇になっているとなると、当時の司法試験員会は、宮沢説ではなく、樋口説を採用するようになっているのですね。
次回以降の参考とさせていただきます。
ご指摘ありがとうございました。
2015年10月14日