司法試験H29刑訴の設問2

H29刑訴の設問2について質問です。
採点実感には伝聞法則(≒320条の趣旨のことと思われる)について言及することを求めているのに対し、古江『事例演習刑事訴訟法第2版』p.386及びそこで引用されている平成20年度旧司法試験第二次試験論文式出題趣旨によれば320条の伝聞証拠に当たるかどうかを検討する必要はないとしています。
私自身は320条の趣旨を書いて、これを328条が非伝聞証拠になることを注意的に規定していることにからめるために320条に言及すべきと思うのですが。
2018年11月8日
刑事系 - 刑事訴訟法
回答希望講師:国木正
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国木正の回答

①「事例中に『甲証言の証明力を争うため』に取調べを請求した旨記載され、端的に同条の問題として論述することが求められているのに、それとは無関係に、要証事実は共謀の存在であると設定し、各証拠は伝聞証拠に当たるとして、同法第321条の伝聞例外の要件を満たすかどうかを論述し、伝聞例外に当たらないとした上で、同法第328条の議論に及ぶ答案が相当数見られた。そのような答案からは、同条の『第321条・・・の規定により証拠とすることができない書面又は供述であつても・・・これを証拠とすることができる。』との文言の規定ぶりに引きずられて、同法第328条により証拠とできる証拠は、同法第321条以下の伝聞例外の要件を満たさない証拠でなければならないとの誤解がうかがわれる」(平成29年司法試験採点実感)との記載、②「当事者が328条により弾劾証拠として取調べを請求したときは、答案では、いきなり328条該当性を検討すべき」(古江先生『事例演習刑事訴訟法』[第2版](有斐閣、2015)385頁)との記載、③「検察官が328条により証拠請求している以上、答案においては、321条などの伝聞例外規定の該当性、ましてや320条の伝聞証拠に当たるかどうかを検討する必要はさらさらありません」(古江先生・前掲書386頁)との記載は、ある証拠を当事者がどういうつもりで証拠調べ請求したかをすっ飛ばして、定型文のようにひとまず伝聞証拠排除法則の趣旨や判断枠組み、そして伝聞例外規定該当性の判断を記述するという姿勢を否定しています。

当事者が弾劾証拠として証拠調べ請求したと問題文で明示されている場合は、328条に焦点を当てた論述をする必要があります。もっとも、328条に焦点を当てた論述をする過程で328条の意義について触れ、そのなかで320条と328条の関係性について端的に説明することは有益であろうと思います(あくまで328条の議論をする過程で320条に触れるべきであって、320条それ自体を論じるべきではないでしょう)。

2018年12月2日