議場における発言取り消し命令の司法審査性について

最判平30.4.26の議場における発言取り消し命令の司法審査性について質問させてください。

判例において、
県議会に対して議事における発言が会議録に記載される権利利益を付与したものとすることはできないとしていますが、
これは、13条の制約がないという意味なのか、21条の制約がないという意味のどちらでしょうか?
また、付与したものでないとした場合に、事件性の要件2で切れてしまって部分社会の法理に行き着かないのですが、あくまでもこの判例は事件性の要件2の中で部分社会の法理を検討してるイメージで良いですか?
2018年7月11日
公法系 - 憲法
回答希望講師:伊藤たける
回答:1

ベストアンサー ファーストアンサー
伊藤たけるの回答

ご質問の趣旨は、憲法13条ないし21条のいずれの制約が否定されたのかというものですね。
そもそも、司法審査の対象となる権利利益は、実体法上の権利ですから、基本権訴訟を認める立場を取らない限り、訴訟物を憲法上の権利と構成することは難しいでしょう。
付随的審査性のもとでは、憲法条項の抵触を検討するのは、訴訟物が司法権の範囲といえるかどうかをクリアした後です。
このあたりは連載や講義で触れていますので、確認しておきましょう。

また、事件性の要件2なるものが何を意味するかわかりませんでしたが、部分社会論は、司法権の2要件の判定をする際に問題となる法理です。
事件性の要件や法適用による解決可能性要件のいずれか、ないし、双方に関するものとして、各事案に応じてあてはめがなされます。
ご指摘の判例は、事件性の要件として、そもそも訴訟物が法律上認められないというタイプかと思われます。

2018年7月11日