主張反論型の答案の書き方について

今度予備試験を受ける者です。
主張反論の書き方を知りたいのですが、
何か参考になる文献とか基本書あったら教えてください。
2018年6月19日
公法系 - 憲法
回答希望講師:伊藤たける
回答:1

ベストアンサー ファーストアンサー
伊藤たけるの回答

私の受験新報連載に書いてあるので、すべてお読みいただければと思います。
簡単なものですと、岡山大のものが参考になりますね。
https://amzn.to/2JZFwGD

2018年6月19日


匿名さん
反論について質問させてください。
自分の答案では、よく以下の状況になります。
原告の主張において、①目的が必要不可欠じゃない②手段適合性に欠ける⓷手段必要性に欠ける④手段相当性に欠けるという状況になった場合には、被告の反論においては①~④すべてについて反論をしなければならないということになるでしょうか?
仮にすべてに反論したうえで私見を述べて違憲審査基準を立てるとなると相当紙面を使ってしまうことになるのですが、どのようにすれば、紙面を割かずにすむでしょうか?
目的が切れた段階で、その後の手段審査はしないほうがよろしいでしょうか?





2018年6月22日

そこまで細分化する必要はありません。
被告側の反論は、原告側と違う視点を指摘すれば足ります。
あとは、その視点を深掘りするとどうなるかを私見のところで展開すればよいでしょう。
そもそも、被告側としては争点を形成するレベルの反論があれば足りることは、ご承知のとおり、平成21年出題趣旨や採点実感でも指摘されています。
権利制約レベル、判断枠組みの判例ないし学説の「区別」(distinguish)レベル、当てはめにおけるビューポイントレベルがありますので、あてはめをそこまで細分化しなくても十分でしょう。
なお、目的審査で切れたとしても、説得的な判断をするためには、それ以外不合理性も審査しなければ、審理不尽とされてしまう余地もあります。
森林法違憲判決や薬事法違憲判決が、執拗なまでに応答していることもご承知のとおりでしょうから、それを参考にしてみてください。

2018年6月22日


匿名さん
ご回答ありがとうございます。
①今の議論を前提にすると、
被告の反論は、原告側がきった事情全てに事細かに反論するのではなく、争点形成についてのみ反論すればいいという理解でよろしいでしょうか?

②また、予備校の参考答案などを見てると、
被告の反論で違憲審査基準をたてて、軽くあてはめをして合憲としているのですが、答案においても、必ず違憲審査基準をたてなければならないのでしょうか?
仮に、制約の強度レベル、権利の重要性レベルて被告の反論が認められない時には被告の違憲審査基準を立てる必要は無いと思ったのですが‥

2018年6月22日


匿名さん
先ほどの①についての補足質問です。
つまり、原告の主張に反論しない部分があったとしても合憲だという主張をして良いということでしょうか?
原告の全ての主張をひっくり返さないと合憲の主張ができないと思ったのですが‥

申し訳ございません。

2018年6月22日


匿名さん
気になったので、質問させていただきます。仮に、反論で①権利の重要性②手段適合性について争いたいという場合、①については、いつも通り検討すればいいと思います。もっとも、②手段適合性について反論したい場合において、①レベルで被告の反論が認められた場合、被告の反論として違憲審査基準が下がる可能性があります。
そこで、被告の反論する手段適合性については、原告の主張する違憲審査基準に対する手段適合性があるという反論なのか、被告の反論で現れた違憲審査基準にたいする手段適合性があるという反論のいずれになるのでしょうか?

2018年6月22日

①合憲を導くためのエッセンスとなる部分を反論で提示して、細かいところは私見で合憲となる理由を提示すれば足ります。
反論を分断させる方法ですと、合憲までの結論を反論1つだけで導けませんが、それが気になるならば反論のポイント(争点)をまとめて指摘する方法を採用すればよいでしょう。
②被告の反論では、参照すべき判例ないし学説レベルで反論があるならば、当然、判断枠組みが変わりますので、指摘しておくとわかりやすいでしょう。
ただし、判断枠組みレベルで争いのないような事例ならば、そもそも争点ではないのですから、原告の判断枠組みに依拠することになるのは当然です。

権利の重要性で反論をしたいというのがよくわからないのですが、要するに、原告が主張する判例ないし学説の「重要な事実」のひとつの評価が争点ならば、それは権利の重要性が争点なのではなく、当該「重要な事実」を満たし、原告の判断枠組みを使えるのか、それとも「区別」(distinguish)するべきかのかということでしょう。
そのうえで、反論のポイントをどのように理解するかは、冒頭で述べた答案構成次第ですので、どちらでもよいでしょう。
ただ、通常は、原告の判断枠組みがおかしいことのほか、原告の判断枠組みによっても合憲となる理由を主張するのが通常でしょう。

おそらく判例の射程と「区別」の手法や「重要な事実」について理解するために、私の受験新報の連載をすべてお読みの上でご質問ください。
また、こちらの講演録でも、最後の質問の回答につき、脚注23で紹介をしています。
http://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/ja/list/department/22/item/45758

2018年6月22日


匿名さん
受験新報、広島大学での講演を読ませていただきました。
大変参考になりました。
ありがとうございました。

最後に一点ほど質問させてください。
原告の個別具体性の手段審査についてですが、
答案において、手段適合性、手段必要性、手段相当性と分けずに、一括りにして答案に書いてもよろしいでしょうか?
ぶんせき本などみてて、細分化して検討している答案が少なかったので、気になって質問させていただきました。

2018年6月24日

お読みいただきありがとうございます。
講学上の概念を使うとカッコよく見えるかもしれませんが、中身があれば何も問題ありません。
中身のある答案を論じやすい順序で組み立て、説得的に論じることが目的です。
意味が通じやすいならば使えばいいですし、必ずしも使う必要があるわけでもないですから、好みの問題です。

2018年6月24日