ご質問ありがとうございます。
この質問は複数回受けているのですが、Yの留置権の抗弁に対して、Xが相殺の再抗弁を主張しているのかが問題になりますね。
この点について、おそらく「Y」が相殺の意思表示をしていることを、主張共通によって、裁判所が斟酌できるから、Xによる相殺の再抗弁が認められ、留置権の抗弁を阻止できるというお考えなのでしょう。
しかし、そもそも主張共通は「事実」に関するものですし、Xによる相殺の再抗弁に必要な要件事実は「Xによる」相殺の意思表示であり、「Yによる」相殺の意思表示ではありません。
したがって、そもそもXが相殺の再抗弁を主張していない以上、そのような判断をすることはできません。
ちなみに、岡口基一『要件事実入門 初級者編』も、上記のような説明はありませんが、引換え給付判決との結論です。
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2018年5月30日