裁量権と個別事情考慮義務

裁量権は「権」とあるように権利であって、義務ではないとすれば個別事情考慮義務はどのような論理で導かれるのでしょうか。
判例は司法と行政の適切な役割分担というようなマジックワードを用いているように読めますが、この役割を分担されていることから個別事情考慮義務が導かれるのでしょうか。
2018年5月6日
公法系 - 行政法
回答希望講師:伊藤たける
回答:1

ベストアンサー ファーストアンサー
伊藤たけるの回答

個別的事情考慮義務をどのように導くかは、見解によって異なるかもしれません。
少なくとも、司法試験受験レベルを超えているため、興味があるならばリサーチをしてみるとよいでしょう。

私個人の考えを述べると、内閣は、単に法律を執行するだけでなく、憲法73条1号により「法律を誠実に執行」しなければなりません。
国会が制定した一般的抽象的法規範には、個別事情が捨象されていますから、これを「誠実」に執行することで、個別具体的な事案で妥当な結論を導くことが期待されているといえます。
その意味で、国会が行政庁に裁量を認めたとしても、それは「誠実」に執行するという義務をおっている負担付の「権利」と考えるべきでしょう。

2018年5月30日