強制性交等罪について

強制性交等罪について質問がございます。
旧強姦罪は被害者が女性に限定されていたため、女性と勘違いして男性を襲ってしまった場合、不能犯の問題が生じることになりました。
強制性交等罪に改正された場合、女性に対して性交しようとして、勘違いして男性を襲ってしまった場合、どのような問題が生じ、どのように論じれば良いのでしょうか。
よろしくお願いします。
未設定さん
2018年4月11日
法律系資格 - 司法試験
回答希望講師:国木正
回答:1   役に立った:1

ベストアンサー ファーストアンサー
国木正の回答

改正前では、[Aが、真実は男性であるVを、女性であるWであると誤信し、襲った]という場合、客観的に実現した罪(強制わいせつ罪)と、主観的に実現しようとした罪(強姦罪)とが異なる構成要件にまたがっているため、重なり合いの問題となります。そして、両罪は前者が後者に含まれる関係(包含関係)にあるといえますから、上記行為には軽い方の罪である前者(強制わいせつ罪)が成立します。
さらに、上記行為に強制わいせつ罪しか成立しない以上、Aの故意はいまだ完全に評価し尽くされたとはいえませんから、不能犯を検討することができます。そして、ここで具体的危険説を採用した場合は、上記行為には強姦未遂罪も成立します。

他方、改正後では、先ほどの例の場合、客観的に実現した罪は強制性交等未遂罪であるのに対し、主観的に実現しようとした罪も強制性交等未遂罪であり、主観と客観に構成要件をまたぐようなずれはありません(たしかに女性だと思って、男性を襲ったという点をみると、主観と客観に不一致はあります。しかし、強制性交等未遂罪の客体には男性も含まれますから、男性を襲ったという客観を前提としても強制性交等未遂罪が成立します。そうだとすれば、女性だと思ったという不一致は、同一構成要件内の錯誤といえます)。そこで、改正後では、構成要件的に同一の評価を受ける事実について認識があったかを検討すれば足り、結論として上記行為には強制性交等未遂罪が成立します。
なお、上記行為に強制性交等未遂罪が成立する以上、Aの故意は完全に評価がし尽くされたといえますから、ここでさらに不能犯の問題を取り上げる必要はありません。

このような立論でいかがでしょうか。

2018年4月11日


未設定さん
大変丁寧な対応、誠にありがとうございます。
とても参考になりました。
また質問させていただきます。
よろしくお願いします。

2018年4月11日