所有権に基づく物権的請求権について

先日、友人とゼミをしていた際、「所有権に基づく物権的返還請求権としての~」と答案に書くときには「所有権(206条)に基づく~」と書いたほうがいいと言われました。しかし、今まで、そのような指摘を受けたことがなく、戸惑っています。書いたほうが丁寧でよいのでしょうか。よろしくお願いします。
未設定さん
2015年4月13日
民事系 - 民法
回答希望講師:内藤慎太郎
回答:1

ベストアンサー ファーストアンサー
内藤慎太郎の回答

何の権利に基づくものなのか書いた方がより正確になので書いた方が良いでしょう。

かつて、要件事実は司法研修所でやればよく、司法試験では全く要求されていなかったこともあって、そのように書かれていない予備校答案もたくさんあるかと思います。


明渡請求の場合を挙げると、訴訟物は「所有権に基づく返還請求権としての土地明渡請求権」となりますが、「賃貸借契約に基づく目的物返還請求権としての土地明渡請求権」というもの等もあります。

また、妨害排除請求権の場合には、「所有権に基づく」「抵当権に基づく」妨害排除請求権のように、同じ妨害排除請求権で基づく権利は異なる場合もあるので書いた方がやはり良いでしょう。

このように書いておいた方が訴訟物(要件事実)を問われた時にもすんなり書けるので、普段から書くようにした方がいいと思います。
ちなみに、訴訟物を書く場合には「物権的」は書きません。

2015年4月13日

一部訂正します。

賃貸借契約に基づく→賃貸借契約終了に基づく

になります。

2015年4月13日

所有権と書いたときに206条を書くかとのことですが、法律の試験では条文はあげられる限りあげるべきですので、書いて損をすることはありません。

2015年4月19日