逮捕前置主義

逮捕が違法であれば勾留の必要性があると言えず、勾留はできないのが原則なところ、軽微な違法であれば勾留ができるのはなぜでしょうか。
2018年2月14日
刑事系 - 刑事訴訟法
回答希望講師:大林尚人
回答:1

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大林尚人の回答

Q「逮捕が違法であれば勾留の必要性があると言えず、勾留はできないのが原則」
→ まず前提として、逮捕の違法性は勾留の必要性に影響しません。起訴前の勾留は罪証隠滅と逃亡のおそれを防止して起訴・不起訴の決定をするために認められた身柄拘束です。ですから、勾留の必要性はこの目的を達成するために身柄を拘束する必要があるという意味です。したがって、逮捕が違法でも勾留の必要性には影響しません。

Q「軽微な違法であれば勾留ができるのはなぜでしょうか」
→これについては事例演習刑訴法第2版61頁から64頁を参照してください。
 簡単に説明します。先行する逮捕が違法な場合にその後の勾留が認められない根拠は、以下3つが考えられます。「①逮捕についての不服申し立て手続きが認められていないため、②逮捕手続きに重大な瑕疵(違法)がある場合には身柄拘束の法的根拠がなくなるため、③違法収集排除法則のように司法の無瑕疵性と違法捜査抑止のため」このうち、③を根拠の1つと考えると、軽微な違法であれば、その後の勾留は認められることになります。*酒巻73頁参照

2018年2月14日


匿名さん
回答ありがとうございます。前段の質問についてですが、87条の「勾留の必要」ではなく203条の「留置の必要」も逮捕の違法性は影響を与えないのでしょうか。

2018年2月15日

「留置の必要」とは身柄拘束(逮捕)の必要性を指すと考えられます。身柄拘束(逮捕)の必要性も罪証隠滅と逃亡のおそれを防止する観点から判断されますから、逮捕の違法性は身柄拘束の必要性とは無関係と考えられます。

2018年2月15日