ご質問ありがとうございます。
違憲審査基準論は、比例原則を事案類型ごとにルール化したものです。
そのため、①制約の程度が強いのであれば、クリアすべき審査基準も強くなります、
また、違憲審査基準は、違憲審査権という権力分立システムの一翼です。
そのため、①制約の程度の他に、②違憲の疑いの強弱≒立法裁量の広狭という指標も重要となります。
ご質問の「内容規制なのか中立規制なのか」というのは、①制約の程度の問題ではなく、②違憲の疑いの強弱の指標です。
例えば、全ての表現について、インターネット上で表現することはできないという規制は中立規制になりますが、野党を応援するツイートはできない(ツイート以外は全部OK!)という内容規制よりも、①制約の程度は大きいはずです。
しかし、②野党排除という違憲の疑いが極めて強いものであるから、後者には厳格な違憲審査基準が適用されるのです。
なお、間接的制約については難しいところがありますが、私は①に分類しています。
ご質問の規制対象が広範囲であることは、どちらかというと①の問題のように思います。
①制約の程度というのは、範囲の他に刑罰などのような罰の重さも類型的に問題されますからね。
とはいえ、強い、弱い、という議論は、水掛け論になりがちであり、主観論が先行します。
なるべく、比較対象を特定した上で、これよりは強力だ、と論じるべきでしょう。
そうすると、平成21年の問題で開示範囲が限定的であることが、わざわざ「強い」といえるかは疑問ですね。
2015年8月18日