過去問には新司法試験、旧司法試験がありどちらも必須ですが、少し使い方が異なるので双方お答えいたします。
なお、これはあくまで、私個人の見解です。
・新司法試験過去問の場合
基本的には勉強の素材として辰巳さんの「論文過去問パーフェクトぶんせき本」があれば良いでしょう。
まず、時間を計って答案を書きましょう。
ここで、一番良いのは、書いた答案を合格者に見てもらうことです。具体的なアドバイスをしてもらうことが良いです。ただ、2年も経つと受験指導でもしていない限り試験感覚はなくなっていて適切なアドバイスをなされない方もいるので注意して下さい。直近合格者や、受験指導をしている弁護士等に見てもらうと良いでしょう。
自分の復習としては、解き終わったら、まず、合格者再現答案がどういうことを書いているか見てみましょう。そこで、例えば、刑事系や公法系なら、120点以上の人が共通して書いていることは落としてはいけないトピック・論点になりますので、その点を確認して、できていなければまずそこを復習しましょう。
また、きちんと誘導に乗れているか、事実をたくさん使えているか、問いに答えられているか、この3点は合格答案の要件ですのでできているか、確認しましょう。これもやはり、合格者に見てもらうのが一番です。
ちなみに、BEXAでは、我々講師が全て添削する新司法試験過去問講座の実施を検討しています。
次に採点実感を読んで、採点委員の苦言が自分に当てはまっていないか確認しましょう。
出題趣旨は最後で良いと思います。出題趣旨に書かれていても合格者の多くが書いていないことは書けなくて良いのであまり気にする必要はありません。
・旧司法試験過去問の場合
新司法試験過去問はそんなに何度も繰り返す必要のあるものとは考えていませんが、旧司法試験過去問は日頃から何度も繰り返しやっておくべきツールになります。
まず、旧司法試験過去問も平成17年以降のものは書いてみると良いでしょう。特に刑事系はもっと遡っても良いです。新司法試験過去問刑事系が、いかに旧司法試験過去問を練り直して出しているかがわかると思います。
あとは基本的に、問題を読んで構成を考えて答案例を確認という作業を日々繰り返すイメージです。
旧新司法試験過去問 検討で注意すべきなのは、予備校答案例は抽象論が長いので論証が長くなりすぎないように今の司法試験ならどうかくか意識して下さい。また、予備校答案例は学説が古かったり、間違いもある(合格者答案も同じ)ので、そこは自分で発見できるよう注意しなければいけません。
旧新司法試験の良い問題集がないので、全て私の答案例を使った、20年分くらいの(民法刑法は30年分くらい)旧新司法試験過去問講座(オプションで添削をつけたもの)を年内、早ければ8月、遅くとも10月にはやりたいと考えております。個人でやるかBEXAでやるかわかりませんが、いずれBEXAでも配信すると思います。
旧司法試験過去問は、論点抽出能力、法的思考力、法的三段論法など、新司法試験合格に必要な地力を養うのに適しています。
新司法試験過去問は、あてはめ(事実の拾い方と評価)、点の取り方(合格者が皆書いていることは落とさないようにし、些細な点は落としても良い等)、問いに答える、という点を重点的に意識して下さい。
2015年4月13日