財産権の保障範囲

いつもお世話になっています。
たける先生の連載で質問があります。
先生の連載の18回で①制度保障テーゼと②個別保障テーゼの説明がなされています。この2つの保障は、憲法29条1項の「財産権」の解釈として論じればよいでしょうか。
2017年11月23日
公法系 - 憲法
回答希望講師:伊藤たける
回答:1

ベストアンサー ファーストアンサー
伊藤たけるの回答

ご質問ありがとうございます。

まず、①制度保障テーゼは旧来的な議論ですので、現在では、①‘法制度保障やベースライン論ですね。
これらの理論も、②も憲法29条1項の「財産権」として保障される内容であると、私は解釈しています。

2017年11月23日


匿名さん
ご回答ありがとうございます。

ということは先生の考えでは、憲法29条1項では、①´「法制度保障」「ベースライン」②個別保障テーゼが「財産権」として保障されており、③客観原則による司法統制は、憲法29条2項から導かれると考えているのですね。
私は、①´と③が憲法29条2項から導かれていると誤解していました。

本当に迅速な回答ありがとうございました。

2017年11月23日

ご指摘のとおりです。
ただし、②は29条1項の財産権とするものの、①’が29条1項なのか2項なのかは、論理的にはいずれもあり得るところです。
29条2項とする立場からは、立法裁量を拘束するツールとして、①’を位置づけることになるでしょう。
森林法違憲判決は、もっぱら29条2項の審査をしていますので、①'を29条2項と位置付けている可能性が否定できません。
私は、あくまでも、ベースライン論が「財産権」の保障内容と位置付けていたことから、それならば29条1項だろうと判断したにすぎません。
なので、このあたりは論理的には双方あり得るため、質問者様の考えが「誤解」であるとはいえず、むしろ最高裁の考えに近いのではないかとすら思われるのです。

2017年11月23日