共謀の射程について(前田説)

当初、X、Y間でAをナイフで脅迫するとのことでしたが、Xのみ殺意を持って、そのナイフでAを刺殺した事例について
前田説ですと、共謀の射程は「心理的・物理的因果の及ぶ」ところまでだとしています。
「脅迫しよう」との意思の連絡は脅迫行為に因果を及ぼし、「ナイフでやろう」との意思の連絡は死亡の結果まで因果を及ぼすと記載すればよいのでしょうか?後は、故意で絞るのですが、前田説の共謀の射程に何を書けばよいのか、対象が分からないのです。
2017年9月21日
法律系資格 - 司法試験
回答希望講師:伊藤たける
回答:1

ベストアンサー ファーストアンサー
伊藤たけるの回答

申し訳ないのですが、前田説をキチンと学習したわけではないのでわかりません。
学説がどのように処理をするのかは立場によって微妙に異なるのでしょうが、私が実務で同種の事案があった場合、共謀の範囲は「ナイフで脅すこと」までですね。
次に、実行行為については、「ナイフで脅す行為」の範囲で共犯者間相互に行為認定が及ぶと考えます。

私ならば、結果との因果関係は、各被告人に帰責できる実行行為との関係で観察するので、そこでは意思の連絡云々は考えません。
端的に「ナイフで脅す行為」に人をしに至らしめる危険があるかを検討して、おそらく通常は肯定できますから、それで客観的構成要件の認定は終わりです。

あとは故意でそれぞれ処理するイメージです。

前田説を知りたいならば、図書館で前田先生の論文を読み漁ってみればわかるかもしれませんね。
橋爪先生の法学教室の記事も役立ちますので、そちらも参考にしてみてください。
http://www.yuhikaku.co.jp/hougaku/detail/018167
あとは「刑法総論の悩みどころ」も参考になるはずです。

2017年9月21日