論点落としをする原因としては、
①知識不足と、
②事案と設問から考えるという分析姿勢が足りない(⇒知識はあるが、事案・設問に食らいついて検討する姿勢が足りない)ということが考えられます。
①と②は相関関係にありますので、②の不足は、①でそこそこカバーできます。
②については、分からないときには、事案・設問から離れて、何か使えそうな知識・論点はないかというように、頭の中で知識・論点の詰まったタンスの引き出しを開け閉めして闇雲に探すのではなく、しっかりと、冷静になって、事案と設問を読み返して、「何が、どう」問われているのかをしっかりと考える癖をつけることが重要です。
おそらく、①よりも②を原因とする受験生のほうが圧倒的に多いです。
私も、②が原因で論点落としをしていたので、過去問を使った答案練習に際しては、常に、「事案と設問をしっかりと読み込み、当該事案及び設問との関係で、何がどう問われているのか」という視点で問題分析するということを常に意識して、『常に事案と設問から考える』という分析姿勢を自分の中で常識化していきました。
これが、上位合格できた最大の理由だと考えています。
ただ、ロースクールの試験問題や演習本の問題は、現行司法試験とやや異なり、事案と設問から論点を導ききることができるような親切な内容のものであるとは限らないので、特に、細かい論点を落としたという場合については、気にしないほうがいいです。
ロースクールの試験問題や演習本ベースでの分析姿勢に囚われると、どうしても、「論点⇒事案」という分析姿勢に陥りがちであり、「事案⇒論点」という現行司法試験で求められている分析姿勢が疎かになりがちです。
2015年7月27日