租税法のままで受験するべきだと考えます。
労働法は、現場思考の要素がほとんどないので、正確な知識の量と質さえあれば、安定して高得点をとることができます。
しかし他方で、労働法は、出題範囲が広いことに加え、近年、判例について深い理解を問うような傾向になってきているので、基本7科目の勉強をしながら、新たに労働法の試験に必要な知識の量と質を備えることは不可能に近いです。
また、勉強量が労働法に偏り、基本7科目の勉強が疎かになるおそれも懸念されます。
労働法に限らず、初学の選択科目は、これまで勉強をしてきていないため、判例・論点等についての記憶を、本試験で使いこなせる『知識』として定着させるには、時間がかかります。
『知識』レベルでの定着は、短期間でどんなに繰り返しても得られるものではなく、時間を置いて、様々な角度からの勉強を何度も繰り返すことで、始めて得られるものです。
司法試験の合否は、選択科目では決まりません。合否そのものは、基本7科目で決まり、選択科目の出来は、合否ギリギリのところで合格圏内に滑り込めるかどうかや、合格順位をどれだけ引き上げることができるかという次元で問題となるにすぎません。
基本7科目の勉強をしっかりと行い、租税法については、最低限の点数を死守できるだけの勉強を行えば足りると考えます。
私は、労働法1位をとることが出来ましたが、労働法で高得点をとることはあまり意識していませんでした。
労働法で1位をとれたのは、基本7科目の勉強が、「事案の分析」や「答案の書き方」という形で、労働法の答案の出来を引き上げてくれたからです。
選択科目について不安になる気持ちはものすごくわかりますが、その不安の現実化は、基本7科目の勉強でしっかりとカバーすることが出来ます。
自分がこれまでやってきた勉強を信じて、いま自分にあるものをしっかりと成長させるという気持ちで勉強してください。
それが、合格への近道であると考えています。
2015年7月26日