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現場供述と署名押印

 実況見分書上に記載されている現場供述について、最判17.9.27などは供述録取書として署名・押印を要求しています。
 しかし、この場合に問題となっているのは、実況見分自体の伝聞性(発言の知覚・記憶・叙述)と現場供述の伝聞性(内容となっている事実の知覚・記憶・叙述)です。そして、前者については321条3項で伝聞性が解消されるのだから、現場供述の伝聞性においては、捜査官による供述録取書として扱うのではなく供述者による供述書(伝聞例外の根拠条文は再伝聞として324条類推)として扱うべきなのではないですか?
 つまり、供述者による供述書だから署名・押印は不要なのではないかという疑問です。
2017年3月9日
刑事系 - 刑事訴訟法
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ベストアンサー ファーストアンサー
清水脩の回答

ご質問ありがとうございます。
実況見分調書の伝聞性については,いろいろと議論のあるところですね。
ただ,大前提として,実況見分調書は,捜査機関(多くの場合,警察官)が作成するものです。その内容は,たとえば犯行を再現した検証の結果などです。そして,その検証の際に,被疑者などが供述した内容が記載されます。
そうしますと,被疑者が現場で話した内容を捜査機関が録取して記載したものである以上,それは供述者による「供述書」ではなく,「供述録取書」にはなるわけです。よって,原則としては供述録取書としての伝聞例外を充足する必要が生じるわけです。
もっとも,その記載された「供述」の内容が,単なる実況見分の動機や手段を明示する趣旨のもの,いわゆる「現場指示」である場合と,それを越えて実況見分の実施に関わらない内容を含むもの,いわゆる「現場供述」に場合分けして考えるのが一般的です。前者については,実況見分の結果を記載しただけなので,重ねて供述録取書して扱う必要が無いとされています(最判S36.5.26刑集15-5-893)が,後者については録取された供述の内容に一致する事実の存在を立証することにも用いられるので供述録取書として扱うと考えられています。
ですので,供述者の署名・押印が必要になるわけですね。

2017年4月27日