表現の自由の判断枠組みについて

憲法の流儀基礎編では、LRAの基準と実質的関連性の基準は別の基準として整理されています。相違点は、手段必要性を審査するか否か、と理解しています。
ただ、かかる整理をあまり著名な基本書で見かけず、両者を中間基準としての同じものとして捉えているように読めるものが多いです。
そこで、
①両者を区別し、実質的関連性の基準をLRAに準じる(語弊があるかもしれません)ものとして整理して良いのでしょうか。
②区別いて整理している文献等があれば教えて頂きたいです。
いつも私の不勉強のために基本的な質問をしてしまい申し訳ございません。何卒宜しくお願い致します。
未設定さん
2017年3月1日
公法系 - 憲法
回答希望講師:伊藤たける
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ベストアンサー ファーストアンサー
伊藤たけるの回答

ご指名ありがとうございます。
①実質的関連性の基準は、少なくとも、平等審査ではLRAの基準とは区別されていますね。
また、表現の自由に対する単純な付随的規制に適用されるオブライエン・テストは、LRAの基準を適用していませんが、内容を読む限り、実質的関連性の基準のように読めます。
芦部説は、その後弱体化したオブライエン・テストを捉えて合理性の基準と分類していますが、本来的には実質的関連性の基準のはずです。
そのため、両者を一緒くたにするべきではありません。
もっとも、LRAの基準は、その後廃れており、代替的伝達経路の準則を適用するように変容していることは有名なところですね。
これは岐阜県青少年保護育成条例事件判決における伊藤裁判官の補足意見でも意識されていますので、こちらの方が馴染み深いといえます。
そうすると、手段必要性を審査するタイプのものは、現在では、薬事法違憲判決の採用した厳格な合理性の基準くらいかもしれません。
そのため、厳格な合理性の基準、代替的伝達経路の準則、実質的関連性の基準(オブライエン・テストを含む)を、事案類型に応じて使い分ける方が賢明ですね。

②は芦部憲法学が代表的なところですが、どの基準をどう分類するかはそもそも怪しいところがあります。
単純に、アメリカ発の表現の自由に対する内容中立規制に適用されるLRAの基準とその変容形態である代表的伝達経路の準則、表現の自由に対する単純な付随的規制に適用されるオブライエン・テストのほか、平等審査における準・疑わしい区別に適用される中間審査基準としての実質的関連性の基準、日本発の薬事法違憲判決の厳格な合理性の基準、というように覚えた方が適切です。

以上の議論も、受験新報の連載に書いてあるはずなので、そちらをご覧ください。
憲法の流儀も、いくらか古びてきたので、そろそろアップデートしないといけませんね。

2017年3月1日