目的効果基準と憲法89条

伊藤健先生の百選講義では目的効果基準はあくまで20条3項の定義について述べただけとおっしゃっておりましたが、2012年の採点実感を見る限り89条についても目的効果基準を使うように書かれていると読み取れます。
試験対策という観点においては89条等においても空知太の判例のように継続的行為以外では目的効果基準を用いることが無難なのでしょうか。
よろしくお願いします。
2017年2月27日
法律系資格 - 司法試験
回答希望講師:伊藤たける
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ベストアンサー ファーストアンサー
伊藤たけるの回答

ご指名ありがとうございます。
伊藤建です。「健」ではないのでご注意ください笑。

89条違反の審査については、第3小法廷が箕面忠魂碑で別系列に整理しようとしたところ、最高裁大法廷が愛媛玉串料事件判決で「20条3項と同様の基準によって判断」するとして、目的効果基準を適用しました。
しかし、第3小法廷に所属していた園部裁判官は、同判決の意見として、89条違反のみを直接審査し、20条3項違反は憲法判断回避の原則より行うべきではないと述べました。

その後、空知太神社事件判決において、最高裁大法廷は、園部意見に従って、事案を89条と20条1項のみで処理をして、20条3項違反を検討しませんでした。
このとき、89条違反として目的効果基準を適用しませんでしたので、厳密には、89条は分離されたと読むことができます。

これまでの経緯は、受験新報2016年8~9月号の私の連載に書いてあるので、詳しくはそちらをご参照ください。

一般的な事例問題では、適用される条文が何かを分析することで、事案にフィットした判断枠組みを適用するべきでしょう。
それが目的効果基準であっても、勝負はそこで決まるわけではなく、実際に当てはめと、政教分離原則の趣旨に関する考え方が重要です。
基準ばかりに目を取られるのはナンセンスですから、好きなものを使えばいいのです。

2017年2月27日

匿名さん
以後気をつけます笑
事例問題を解く上での理解がかなり深まりましたが受験新報の方も参照させていただきます。
判例の経緯に即したご丁寧な回答ありがとうございました。

2017年2月27日

早速のお返事ありがとうございます。
仕事が早いですね!
連載でわかりにくいところがあれば、また質問をしてくださいね。

2017年2月27日

匿名さん
ありがとうございます。
是非今後ともよろしくお願いいたします!

2017年2月27日