直接規制とは、私の定義では、規制の目的ではなく、憲法上の権利として保障された行為に対する制約を指している概念です。
他方、その周辺に対する制約であれば、憲法上の権利に対する直接の制約はなく、ある行為を媒介して間接的に制約されることになります。
これとは別に付随的規制の抗弁がありますが、これは権利の側から一見すると直接規制にあたりそうですが、実際には他の行為も規制対象に含まれるため、他の行為を包含した規制が付随的に憲法上の権利に対する制約となった場合をいいます。
これは規制目的の中に許されない動機をあぶり出す効果を持ちますが、規制目的それ自体で区別する概念ではありません。
基本憲法の思想・良心の自由のところでは、判例の用いている直接的な制約が、いわゆるアの思想排除強制類型とイの意見表明強制類型があるかのような説示があるという説明ですね。
これらも、目的の話ではなく、単に憲法上の権利として保障されるアとイの類型に対する制約だから直接規制と述べているにすぎないといえるでしょう。
直接規制は論者によって定義が異なりますので、整理したものとして、こちらの拙稿をあげておきます。
http://ci.nii.ac.jp/naid/40020414717
2017年2月20日