ご回答いたします。
結論からいうと,対抗問題になります。
問屋が破産した判例とは,最高裁昭和43年7月11日第一小法廷判決(百選第5版49事件)を指すものと思われますが,当該判例は,委託者の計算において取得された権利であることを指摘して,取戻権の行使を認めています。
しかし,
取戻権が成立しているかと,包括的差押との関係で対抗問題を観念するかとは別問題です。伝統的通説は,第三者との関係では対抗要件具備が必要であると論じています。もっとも通説自身も,所有権移転および占有改定を約定することは可能であるから,それによって対抗要件具備があったものと理解することもできると指摘するところですから,採点者はその見解によったのかもしれません。
ですが,その見解によるなら,相応の理由が不可欠です。
田澤 康二
2016年6月14日