旧司民法短答について

H22旧司民法第31問について質問があります。
この問題では肢イが誤りなのですが、その理由がよくわかりません。
肢別本では、「Cは相殺により消滅すべきであった債務の履行をAに請求できる(463条1項、443条1項後段)が、CがBのAに対する債権を取得するわけではない」とされていました。しかし、それでは肢エも誤りになるように思えますし、また基本書を調べてみたところ、443条1項後段の場面では対抗に供した債権は通知を怠った債務者に当然に移転する、とされていました。
ご回答頂けたら幸いです。よろしくお願い致します。
未設定さん
2015年5月15日
民事系 - 民法
回答希望講師:伊藤たける
回答:1

ベストアンサー ファーストアンサー
伊藤たけるの回答

イ CがBから委託を受けて保証人になった場合,CがBに事前の通知をすることなく,Aに対して履行期に弁済したとき,その後,BがAに対する同額の債権を取得したとすると,Cは事前の通知を怠っているので,Bに対して求償することはできないが,このとき,CはBのAに対する債権を取得する。

(条文)民法443条1項
連帯債務者の一人が債権者から履行の請求を受けたことを他の連帯債務者に通知しないで弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得た場合において、他の連帯債務者は、債権者に対抗することができる事由を有していたときは、その負担部分について、その事由をもってその免責を得た連帯債務者に対抗することができる。この場合において、相殺をもってその免責を得た連帯債務者に対抗したときは、過失のある連帯債務者は、債権者に対し、相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。

(解説)
条文上「債権者に対抗することができる事由を有していたとき」なので、免責された「その後」に対抗事由が生じても、同条は適用されないということではないでしょうか。

2015年6月2日


未設定さん
ご回答ありがとうございます。
対抗事由の有無の基準時は連帯債務者の一人が免責を得た時点であるのに、その後に取得した事由をもって対抗できるとしている点が誤りということですね。
この点が、私が調べた限りでは基本書等に記載されていなかったので質問させていただきました。
本当にありがとうございました。

2015年8月4日

ご指摘のとおりです!

「条文を素直に読む」姿勢を大切にするとよいでしょう。

要するに、ラッキーパンチはダメですよ、ということですね。

それでは、頑張ってくださいね!

2015年8月4日