会社法

こんにちは。宜しくお願いします。
「剰余金配当の場合の会社の株主に対する不当利得請求」の論証の質問になります。この論点は、①剰余金配当を議決した総会決議が取り消された場合(手続違反)、②特定人にだけ配当された場合(平等原則違反)、③剰余金が財源規制違反の場合、があるようですが、①は債権者保護の観点から配当を無効とし、②は株主平等原則から配当は無効、③は自己株式取得の財源規制とパラレルに考えて、財源規制違反の剰余金配当を決定した総会は決議内容の法令違反で無効→それに基づく取得も無効、という考えでよいのでしょうか。


2016年3月30日
民事系 - 商法・会社法
回答希望講師:加藤喬
回答:1

ベストアンサー ファーストアンサー
加藤喬の回答

 ①・②・③いずれについても質問者様の理解でよろしいと思います。
 なお、③については、463条1項が「効力を生じた日」と規定していることに着目して財源規制違反の剰余金配当が有効であることが前提にされていると説く有効説と、財源規制違反の配当決議は無効であるから無効な総会決議に基づく配当も無効であると説く無効説とがあります。
 そして、無効説については、(1)財源規制違反は配当の「効力が生ずる日」(461条1項。具体的には総会決議で「配当がその効力を生ずる日」(454条1項3号)として定めた日)の時点で判断されるため、配当が財源規制に違反する場合であっても常に総会決議の内容が財源規制違反になるとは限らない、(2)そもそも総会決議が無効である場合にその決議に基づく行為を常に無効になるとは限らない、という批判があります(事例で考える会社法289頁参照)。

2016年4月7日