自白法則について

某予備校の全国模試の採点実感で、検察官作成の被告人の自白調書の証拠能力につき
「322条により準用する319条の検討をする答案があり、意外だった。判例・実務は319条をダイレクトに問題やはり322条の不利益事実の承認のあてはめから論点の検討に入ったほうが素直かと思うのですが、この点はどのように考えればよいでしょうか?
また私としては、問題提起部分はネットで発見したhttp://study.web5.jp/100405a.phpくらいで良いかと結論づけているのですが、この点も一言アドバイスいただければ幸いです。
未設定さん
2015年5月7日
刑事系 - 刑事訴訟法
回答希望講師:伊藤たける
回答:1

ベストアンサー ファーストアンサー
内藤慎太郎の回答

質問者様の考え方で問題ありません。
私の友人で平成21年旧司法試験合格者再現答案も322→319という流れにしています。その方は刑訴は、もちろんその年も含め旧司論文で毎年Aという方でした。その年も旧司法試験に20番位で合格しています。

そもそも、自白調書も供述証拠であり、検面調書or員面調書(伝聞証拠)なのですから、その方が考え方として正しいと考えられます。
ただ、自白調書の場合、322条の他の要件にあまり問題がないため、319条の検討にいきなり入っているというにすぎないものと思われます。

非常に良い質問で、よく理解されていると思います。

2015年5月9日

ただ、補足をしますと、条文操作としては322→319でよいですが、単に自白であるとの認定をして319条に行けばよく、不利益事実の承認自体は認定不要と思います。
条文は、「承認が自白でない場合においても」となっており、自白である場合はもちろん319条、自白でなくても不利益事実の承認なら319条に準じて、と理解すればいいのではないかと思います。

2015年5月9日

さらに、補足ですが、本試験では自白は後半に書くことになると思います。
もし、時間に余裕がなければ自白であるとの認定をしてダイレクトに319を検討し点を取ることを優先しましょう。自白法則の論証→当てはめがあくまでメインですので。おそらく、反復自白や、自白からの派生証拠も絡んでくると思いますし。

2015年5月9日