責任故意の対象の「違法性阻却事由の不存在の事実」について

責任故意の対象である「違法性阻却事由の不存在の事実」がいつもぱっとイメージできません。

そこで典型的には誤想防衛の場合など、責任故意を考えるときはその人の頭の中で違法性があるかを考えるようにしているのですが、責任故意の対象を「違法性を基礎づける事実」と答案に書いてしまうことは間違いなのでしょうか??

未設定さん
2016年1月9日
その他 - その他
回答希望講師:加藤喬
回答:1

ベストアンサー ファーストアンサー
加藤喬の回答

 構成要件該当性が認められる場合、違法性が推定され、違法性阻却事由がない限り、違法性が認められます。

 したがって、構成要件該当事実の認識がある場合には、原則として、自己の行為が違法であることを基礎づける事実の認識があることになります。

 だからこそ、例外的に、違法性阻却事由の存在についての認識がある場合には、自己の行為が構成要件に該当するにもかかわらず違法ではないという認識を有していることとなり、故意非難の可能性を欠き、責任故意が阻却されるわけです。

 なので、責任故意の段階で、違法性を基礎づける事実の認識があるかどうかを問題にするのは、間違いです。

 違法性の評価について認識しているかどうかは別として、違法類型である構成要件に該当する事実の認識を有する以上、違法性阻却事由の存在についての認識がないかぎり、自己の行為が違法であることを基礎づける事実の認識があることになるからです。

2016年1月11日


未設定さん
ご教授ありがとうございます!理解しました!

2016年1月11日