憲法、判断枠組みについて。

お忙しい中、失礼いたします。22条1項について2点ご質問があります。①基本憲法Iの補助レジュメでは「薬事法=厳格な合理性の基準」とある一方、憲法の流儀(H26年解答)では「薬事法=実質的関連性の基準」とあります。「厳格な合理性の基準=実質的関連性の基準」と捉えても良いのでしょうか?②憲法の流儀において「広義の積極目的規制の場合には、明白の原則を適用するべきではなく、実質的関連性の基準によるべき」(H26解答P.4末~P.5)とあります。職業選択の自由ではなく、遂行の自由の場合にも薬事法判決と同じ判断枠組みになるのでしょうか?お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
未設定さん
2021年6月22日
公法系 - 憲法
回答希望講師:伊藤たける
回答:1

ベストアンサー ファーストアンサー
伊藤たけるの回答

ご質問ありがとうございます。
①については、薬事法違憲判決は、許可制の合憲性は原則として実質的関連性の基準で審査し、これが消極目的規制ならば厳格な合理性の基準が適用されるとして、2つの違憲審査基準に言及しています。
同判決が最終的に採用したのは、厳格な合理性の基準ですが、平成26年の場合は複合目的でしたので、許可制に適用される原則的な違憲審査基準である実質的関連性の基準に戻っているだけです。
②職業遂行の自由の場合は、実質的関連性の基準が発動するかは考え方次第ですね。
少なくとも、職業遂行の自由かつ消極目的規制の司法書士法判決は、厳格な合理性の基準を採用していません。
他方で、狭義の積極目的規制の場合は、職業選択の自由であろうが、職業遂行の自由であろうが、小売市場判決の明白の原則が適用されてしまっています。
目的と規制態様のクロスで考えることが重要ですね。

2021年6月23日


未設定さん
お忙しい中、早速お返事くださり、ありがとうございます。
①については、「明白の原則→規制態様が強度(ex,許可制)なら実質的関連性の基準→加えて消極目的規制なら厳格な合理性の基準」と整理しておきます。
よろしくお願いいたします。

2021年6月24日

コメントありがとうございます。
明白の原則は、きわめて例外的なものであるため、これを原則とする立場には疑問があります。
許可制などによる職業選択の自由そのものに対する制約ならば、原則として意見であり、少なくとも実質的関連性の基準が適用されるべきです。
明白の原則は、あくまでも立法裁量を広く認めざるを得ない経済的弱者の救済という合憲性が強く推定される狭義の積極目的規制に限って適用すべきでしょう。

2021年6月24日


未設定さん
お忙しい中、早速お返事くださり、ありがとうございます。
"明白の原則は、狭義の積極目的規制に限って適用すべき"とのこと、承知いたしました。
判例からは、広義の積極目的規制の場合の判断枠組みは明らかでないと認識しているのですが、
許可制などによらない職業選択の自由そのものに対する制約の場合でも、実質的関連性の基準を基準として考えてもよろしいでしょうか?
お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

2021年6月24日

ご質問ありがとうございます。
そのように考えることは十分可能であると思います。

2021年6月24日


未設定さん
お返事ありがとうございます。承知いたしました。
丁寧にご対応下さり、ありがとうございます!

2021年6月24日