平成26年 予備試験(憲法)について

規制態様について、答案例の私見では「商店会への加入を強制していることから、新規参入規制に等しく、単なる営業の自由に対する制約とはいえない」として職業選択の自由に対する制約とされていますが、商店会への加入は本条例で義務化されていることから、商店会に加入できず開設を断念した、といった事態が生じることは考えられず、あくまで会費の強制徴収が職業遂行の自由に対する制約に留まるように感じてしまいます。
また、徴収される会費の額やサンクションとして営業停止命令が設けられていることが事実上新規参入を躊躇わせることから職業選択の自由に対する制約を認定することは制約の認定として誤りでしょうか。
未設定さん
2021年4月8日
法律系資格 - 予備試験
回答希望講師:伊藤たける
回答:1

ベストアンサー ファーストアンサー
伊藤たけるの回答

ご質問ありがとうございます。
私見部分は、説得的であれば誤りにはなりません。

ただ、条例で義務化されているので、断念したということは考えられないというのは、どのようなロジックなのかはわかりませんが、会費負担だけで開業の断念まではしないというロジックは、十分あり得ますね。

権利制約の態様から観察するのが一般的で、通常は制裁条項を加味しないでしょうが、誤りとまでいえるかはわかりません。
問題となるのは営業停止命令があるかどうかより、そもそも参入障壁になるかどうかでしょう。

2021年4月9日


未設定さん
条例で義務化されているので、断念したということは考えられない、というのは、会費さえ払えば誰でも営業はできるので商店会への強制加入は距離制限など典型的な職業選択の自由への制約と違って新規参入そのものを禁止するものでは無く、参入障壁といえるのか?という趣旨です(「会費負担だけでは開業の断念まではしないというロジックはあり得る」とのご返答、理解しました)。
停止命令の件は、仮に制裁が罰金1万円だったら、会費の強制徴収は容易に潜脱できるため参入障壁とは言えず、制裁の重さを考慮して初めて商店会への強制加入および会費徴収が参入障壁と言えるのではないでしょうか、という問題意識です。

2021年4月9日

コメントいただきありがとうございます。
1点目については、条例で義務化されているという部分よりも、単なる会費強制では新規参入は阻害されないという部分を強調した方がよいでしょうね。
2点目については、そのようなロジックであれば説得的だと感じます。
一般論としては、刑事罰か行政処分かで通常は憲法上の権利侵害に対する差はないであろうという問題意識です。
そのため、制裁の重さが憲法上の権利侵害に対する影響があることを説得的に論証できるならば、むしろいいのではないかと思います。

とても鋭いご質問でした。
早期合格を期待しております。

2021年4月10日


未設定さん
ご回答ありがとうございます。
自分自身、義務違反の制裁を義務の強制力(=制約の強度)として論じる事に一定のモヤモヤは残りますが、そういったロジックも成り立ち得ると言っていただけて大変今後の参考になりました。
お忙しい中、ご対応ありがとうございました。

2021年4月10日