選挙権について

憲法判例の射程において、①「自ら選挙の公正を害する行為をした者」について、在外国民の選挙制約と同様に厳しい審査は難しいと記載されてあります。もっとも、選挙権剥奪の場合ですので、裁量は認められないと考えて、厳格な合理性の基準審査をしますか。②「選挙の公正を害する行為をした者等」の「等」について、大阪地裁と大阪高裁で見解がわかれていますが、たける先生の私見を教えてください。③憲法論点教室【第2版】を読もうかと考えていますが、たける先生の書評をお聞きしたいです。
未設定さん
2020年6月14日
公法系 - 憲法
回答希望講師:伊藤たける
回答:1

ベストアンサー ファーストアンサー
伊藤たけるの回答

ご質問ありがとうございます。
①選挙の公正を害した場合は、裁量論の話というよりも、そもそも権利保障の根拠がなくなる内在的制約の話ではないかと思います。
したがって、自ら選挙権の公正を害した以上は、合理的な選挙権制限を受けるとしてもやむを得ないとの規範を立てて、合理的な制約といえるのかを論ずればよいでしょう。
②ご質問の際には、必ず裁判例の年月日の引用をお願いします。
おそらく、大阪高判平成25年9月27日判時2234号29頁と、その原審のことであろうと思います。
結論は、どちらでもよいと思いますが、なぜ在外邦人判決が例外を定めたのか、その趣旨をどのように解釈するかで論じればよいのではないかと思います。
③憲法を学習するにあたって必要な基本事項がすべて網羅されています。
この本に書いてあることがわかっているならば不要ですが、わかっていないならば必要ですね。

2020年6月15日