任意同行と実質的逮捕の区別と任意取調の限界について

 いわゆる任意同行と実質的逮捕の区別と任意取調の限界という各論点の違いがわかりません。
 双方の論点が想定する事案は、任意同行が行われた後任意の取り調べが行われる事案であると私は考えています。そのように考えると、これらの論点の違いがわからなくなりました。
 そこで、これらの論点の違い及びこれらの論点のどのように整理してどちらの規範を用いることを決定すべきなのか教えてくださいお願いします。
未設定さん
2015年12月20日
その他 - その他
回答:1

ベストアンサー ファーストアンサー
内藤慎太郎の回答

実質逮捕は身体拘束の適法性を問うものであり(違法な実質逮捕となればその後の勾留請求等に影響する)、任意取調べの限界のは、証拠収集方法の適法性の問題(違法な任意取調べであれば、それにより得られた供述証拠の証拠能力に影響)ですので体系的位置付けが異なります。
どちらの規範を選ぶという話ではなく、実質逮捕に当たらない場合は、両方書かなければならない場合がほとんどではないかと思います。

まず、①実質逮捕に当たるかを検討し、当たらなければ②任意取調べの限界の検討になるので双方で規範を立ててあてはめなければなりません。

①では任意同行時点の事情のみを使うので、規範も任意同行時点を基準としたものとなり、あてはめも任意同行の時点の事実を使うことになります。
②では、任意取調べ開始後の事情を使うので、規範も任意取調べ開始後の事情を使うような要件(高輪グリーンマンション事件参照)となり、あてはめでも任意取調べ開始後の事実を使うことになります。

2015年12月22日


未設定さん
 回答ありがとうございます。
 勉強不足で申し訳ないのですが、さらに質問させてください。一般に実質的逮捕の論点の考慮要素として同行後の事情(取り調べ状況等)が挙げられると思うのですが、これについては、先生はどういう風に考えているのでしょうか。

2015年12月22日

それは、唯一同行後の考慮事情にはなりますが、
通常逮捕された被疑者と同程度の拘束状態に置かれていたか否かというものを考慮するための要件である思います。
例えば、過度の監視があったか、帰りたいと言った時に帰れたか、聴取(任意取調べ)を受けた時間等を、考慮して、逮捕に類似する状況にあれば実質的に見れば逮捕と言えるだろうということになります。もちろん、他の要件との総合考慮にはなりますが。

2015年12月22日


未設定さん
 質問に答えていただきありがとうございました。
 この論点については、いまいち違いがわからなかったので、とても助かりました。

2015年12月22日