過度に広汎故に無効の法理について

お忙しいところ失礼致します。文面審査で、過度に広汎故に無効の法理を主張する際、規範はどのように論じれば宜しいのでしょうか?
現時点の自分の理解では、例えば煽動行為処罰の事例において、「煽動」の解釈でブランデンバーグ基準を採用し、法令がブランデンバーグ基準よりも広い範囲で処罰できる内容であった場合に当該法令が過度に広汎故に無効となると考えているのですがどうでしょうか。
よろしくお願いいたします。
2020年5月22日
公法系 - 憲法
回答希望講師:伊藤たける
回答:1

ベストアンサー ファーストアンサー
伊藤たけるの回答

ご質問ありがとうございます。
文面審査をする必要があるのは、法令の合憲部分の適用を受ける人ですよね。

たとえば、広島市暴走族追放条例事件で問題となったように、本来は暴走族だけが規制されるべきなのに、構成要件が「何人も」となっており、暴走族以外の人にも適用される条例が、まさに暴走族に適用されているケースです。
この場合、暴走族に対する規制は合憲的といえるものの、それ以外の者にも適用される点が違憲であることを前提に、過度に広汎なので文面上無効となり無罪、という主張をすることになります。

違憲審査基準は何でもよいのですが、法令の文言上、違憲審査基準よりも広く規制が及んでいることを指摘し、このような過度に広汎な構成要件の定めは文面上無効であると指摘すれば足りるでしょう。
合憲限定解釈ができないのであれば、文面上無効となり無罪となります。

2020年5月23日


匿名さん
ご回答ありがとうございます!
そうしますと、令和元年司法試験・憲法の事例は、行政側からの相談時点では特定人への具体的な適用が問題となっていないので、広島市暴走族追放条例事件とは厳密には事案が異なり、公共の利害に関する虚偽表現の流布を一般的に禁止する法案において過度に広汎故に無効の法理を文面審査で挙げることは困難でしょうか?
仮に困難であった場合、個人的には、過度に広汎であることは文面審査のみならず実体審査の手段の必要性においても問題にし得るのではないかと考えているのですが、令和元年司法試験の事例では過度に広汎であることを実体審査の方で考慮すべきことだったという理解になるのでしょうか?

2020年5月23日

コメントありがとうございます。
ご指摘のとおり、主張適格が問題とならないケースでは、あえて文面審査を発動する必要はなく、端的に規制手段が目的との関係で広すぎる(関連性がない)と主張すれば足ります。

2020年5月25日


匿名さん
ご回答ありがとうございます。
最近の起案の復習でずっと迷っていたところが解消されました!いつも有難うございます!
これからも頑張りますのでよろしくお願いします‼︎

2020年5月25日